内容説明
本巻では、日本軍侵略の激しい被害を最も長い間被った中国と、集団虐殺・集団強かんが熾烈を極めた東南アジア・太平洋地域の、「慰安婦」・性暴力被害の証言を地道な調査で掘り起こし、その被害とそれに対する加害の実態を詳細に検証すると同時に、日本軍による占領地域での「慰安所」制度・性暴力の構造を考察した。
目次
第1部 中国(中国山西省における日本軍性暴力の実態;中国の慰安所に関する調査報告―上海・南京・雲南を中心に;南京大虐殺下における日本軍の性暴力―南京戦参加の元兵士の調査と被害女性の調査から;天津の日本軍「慰安婦」供出システム―中国の公文資料から ほか)
第2部 東南アジア・太平洋(フィリピンの「慰安婦」・性暴力の実態;フィリピン・パナイ島における性暴力;フィリピン・マパニケ村―住民虐殺・集団強かん事件;インドネシア「慰安婦」問題 ほか)
感想・レビュー
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tama
3
図書館本 朝日新聞慰安婦報道問題で慰安婦自体がなかったことと言ってるが、本当にそうなのか事例収集を目的に資料として。かつ、「朝鮮・中国が嫌い」からスタートしてものを言うバカが多いので、東南アジアという占領地で傍証を固める。結果:日本軍による(以下すべてにかかる)強姦・拉致監禁・連れ回し・上司黙認(または推奨)・現地邦人と原住民組織への指示で慰安所作りは物凄い数あった。原因:①日本人の「ばれなきゃ・黙ってれば・知らんふりしてれば大丈夫だ」根性。②日本人以外は敵か虫けら。2015/05/02
カレーヌードル
1
「被害者が恥じるよりもずっと加害者が自分のしたことに恥を知るべきだ」「戦時中だったから」では通用しない残された方たちの心の傷、大きな喪失感。残忍さを極める、想像しただけで胸が苦しくなるような本当に起きた事。殺されるかもしれないという状況であったために日本軍と上手くやっていこうという気持ちがあったのだろう。1910-1920くらいの生まれの人が多かった印象。20-30代。なかには当時14,15才だったという人も。全てが過去となり遠のいていく今、歴史を世界の人々が正確に捉えていくべきだ、2015/05/20