出版社内容情報
直木賞作家のノンフィクション
開戦から八五年を迎える年ゆえ、回忌(=弔い)にふさわしいものにしたいとも考えている。むろん、これまでの私自身の体験と見聞を偽りなく映し出すものであり、その中身のある部分については相当な風当たりもあるだろうと覚悟しておく。戦争なるものへの見方は、人それぞれに、あるいは世代間においても異なるはずだが、私としては出来るかぎり中立かつ客観的な視点と立場でもって記していくことを心がけるつもりである。総じて言えば―、あの戦争は一体何だったのか。その本質とは何か?そのことを解明しておかなければ、世代を超えた真の反戦、平和運動には繋つながらない。今なお進行中のウクライナ戦争にしても、その本質は日々の報道からはほとんど見えてこない。これまた何ゆえの、何のための戦争なのかを解き明かしておかねば、どちらをどう支援するのかという問題の答えが見出せない。それは決して遠い国の戦争ではなく、戦時中にあった千島〈列島〉の略奪にも通じる話であることを知ってほしい、との願いもこれを記す動機の一つだ。今昔ふたつの戦争を通して、現代世界が抱えてしまっている由々しき現実、悲しむべき事態を一人でも多くの人に伝えるべく、それぞれの真相に肉迫したいと願っている。(まえがきより)
【目次】
第Ⅰ部 諸悪の深層―狂乱の世から戦後苦へ
第一章 戦没者の代替世代
第二章 祖国に見捨てられた兵士
第三章 戦争の影もしくは闇
第四章 軍国の狂気と大統領の陰謀説
第五章 開戦は南方作戦が先行
第六章 実らなかった日米交渉
第七章 正しい史観の重要性とその術
第八章 戦後苦という名の後遺症
第Ⅱ部 ウクライナ戦争異聞―民族を超えた国民の戦い
序章―遠い日の記憶から
第一章 なぜ戦場へと向かうのか
第二章 ウクライナという国のこと
第三章 ドンパス戦争から本格侵攻へ
第四章 突きつけられたわが国の問題
あとがき



