出版社内容情報
地方都市を支配する一族が営む総合病院に隠された深淵なる闇。続発する怪事件に立ち向かう偏屈探偵・蜘蛛手啓司は、過去から連綿と受け継がれる“負の歴史”に終止符を打つ事ができるのか……。第11回鮎川哲也賞受賞の実力派作家が放つ渾身の書下ろし長編!
【目次】
ネズミとキリンの金字塔
内容説明
第11回鮎川哲也賞受賞の実力派作家が放つ渾身の書下ろし長編本格ミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
117
ダブルで面白かった一冊。久々の蜘蛛手探偵&宮川さん。彼らが遭遇したのは地方都市にある大木一族が経営する総合病院での怪事件。外観シルエットはピラミッドのような精神科病棟での崩落事故からスタート。もちろんこれが最大のポイントなれど、過去の葬られたかのような事件も浮上しとにかく先へと引き込まれる過程はまるでモグラならぬハダカデバネズミが建築ミステリと病院の闇、ダブルの穴を掘りまくるような面白さ。精神科病院だけあって内部事情の重さはあれど、繋がりゆく諸々、心情、どこまで掘るんだーい!ってぐらいワクワク楽しかった!2026/01/12
雪紫
61
街を支配する一族と恩恵。精神病院の非人道的扱い。謎の病院怪談。謎の浮浪者老人との交流。葬り去られた事件。そして大量の平面図と断面図、門前さん特有の建築知識とぶっ飛んだ奇想とトリックと図解図(模型消失や病院の謎好き)。残した謎とそれに関わる蜘蛛さんのスタンス。読みにくいとこあるけど門前さん特盛である。引っ掛かるとこやこれ伏線だなと思っても見抜けない。だから門前さんは続きを何年経ってもOKなのよ。そして今回蜘蛛さんデレ度合いが強いな。これだけでも見所あるそ。2025/11/04
さっちゃん
52
中央にピラミッド型の病棟がある大木総合病院。ある日、蜘蛛手らの目前でピラミッド棟8階の吊鐘棟が吹き抜けを落下。その中では密室殺人が…。/詳細な平面図、断面図に圧倒されつつも序盤からグイグイ引き込まれる。過去のアンデッド出現、猫の密室事件、ピラミッド模型消失事件、旧隔離棟密室殺人、そして現在の吊鐘棟崩落密室殺人事件と謎は多く、どれがどう繋がるのか。このラストはさすがに予想出来ず、遠大な犯罪計画と動機には頭から煙が出そうに。ド派手で奇想でイカれてて細かいところはどうでも良くなる。ふふふ、面白かった!2025/12/12
koma-inu
31
蜘蛛手シリーズ。一族経営する病院、それは頂点が釣鐘のピラミッド型の塔だった。過去に起こった密室殺人や模型の消失事件に続き、ピラミッド病院の釣鐘が崩壊する事件が起こる。もはやSF設定の様です。病院の詳細な図解に加え、解決編の図解が素晴らしい!特に模型消失の図は、どんな気持ちで書いたのでしょうか笑。釣鐘崩壊トリックは、まだマトモ?に思えましたが、病院の真の姿(この図解も素晴らしい)、狂気的な動機など、リアル性を気にしない姿勢が愛らしい。蜘蛛手はどうやって推理したんだ?と言うのも気にならない大技作😅2026/07/19
二分五厘
21
大木総合病院本館、段々ピラミッド状に連なる最上階8階は鉄骨斜め支柱に吊り下げられる方形の寄棟。だが病院団地内新棟工事の、施工業者と設計事務所(蜘蛛さんの)打合せ予定の朝、突如この吊鐘棟が大音響と共に崩落する。密室であるはずのその中では、男の刺殺体が発見される。そしてそこから時間は少しずつ溯られ、過去に病院で起こった事件・現象が語られていく。吊鐘棟崩落を集大成とするこの″負の歴史″に蜘蛛手は終止符を打つことができるのか。病院に隠された途轍もなく大きく暗い怨念と執念。時間の概念に囚われない人間は無双ですね。2026/04/27




