出版社内容情報
明治期の再宣教以来、日本のカトリック教会で歌われてきた
「聖歌」の伝統とその意義を考察する書!
プロテスタント教会では「讃美歌」と呼ばれ、カトリック教会では「聖歌」と呼ばれるキリスト教の歌、それが「会衆歌」である。
日本の歴史上、古い体質の象徴として拒絶された時期もあった。
だが、現実には後世に残したい名曲は数多く、時に日本への宣教的な意義を有し、時に日本における西洋音楽の受容を促しつつ、教理を伝える役割を担ってきた。
本書は100年に及ぶその旋律を日本人にとって貴重な財産と捉え、カトリック教会の出版物という資料を通して「聖歌」の意義を考察した貴重な研究である。
【目次】
第1章 日本における再宣教の歩み
第2章 日本のカトリック教会の会衆歌の原点
第3章 初めての会衆用聖歌集
第4章 全国統一聖歌集の成立
第5章 テクストに見る聖歌の意義
目次
第一章 日本における再宣教の歩み(日本教会の設立と各教区の設立;日本の聖歌集に関する先行研究)
第二章 日本のカトリック教会の会衆歌の原点(フランシスコ会宣教師の来札と北海道での宣教;啓蒙思想に基づく典礼改革思想;典礼改革期に成立した聖歌の日本での受容;フルダ教区に聖歌集の歴史)
第三章 初めての会衆用聖歌集(『公教會聖歌集』の成立;『公教會聖歌集』に収録される聖歌;『公教會聖歌集』の広まり)
第四章 全国統一聖歌集の成立(『公教聖歌集』の成立;『公教聖歌集』に収録される聖歌;『公教會聖歌集』の初期受容;改訂版の出版;日本のカトリック聖歌集の歴史における『公教聖歌集』の位置づけ)
第五章 テクストに見る聖歌の意義(宣教におけるインカルチュレーション;『日本聖詠』の「和歌」テクスト;『公教會聖歌集』の「意訳」テクスト;聖歌における天皇制用語の使用;典礼用語の変遷;聖歌におけるテクストの重要性・宣教的意義)
著者等紹介
松橋輝子[マツハシキコ]
桜美林大学非常勤講師、東京藝術大学非常勤講師。1995年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院音楽研究科音楽文化学専攻音楽学研究分野博士課程修了。博士(音楽学)。卒業時に同声会賞、アカンサス賞を受賞。イェール大学宗教音楽研究所にて研鑽を積む。2019年度カトリック大学連盟奨学生、2020年4月から2022年3月まで日本学術振興会特別研究員(DC2)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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