出版社内容情報
殺人事件の発生によって疑惑の場と化した晩餐の席。ディナー・パーティーに招かれた私立探偵シェリダン・ウェズリーが地元警察のスローカム署長と捜査に乗り出す。ヒラリー・ウォーのデビュー長編、原著刊行から78年ぶり初邦訳!
【目次】
マダムはディナーに出られません
訳者あとがき
解説 塚田よしと
内容説明
ヒラリー・ウォーのデビュー長編、原著刊行から78年ぶりの初邦訳!殺人事件の発生によって疑惑の場と化した晩餐の席。ディナー・パーティーに招かれた私立探偵シェリダン・ウェズリーが地元警察のスローカム署長と捜査に乗り出す。
著者等紹介
ウォー,ヒラリー[ウォー,ヒラリー] [Waugh,Hillary]
本名ヒラリー・ボールドウィン・ウォー。別名義にエリッサ・グランダウアーなど。1920年、アメリカ、コネチカット州ニューヘイブン生まれ。イェール大学在学中にアメリカ海軍航空隊へ入隊する。47年に除隊して故郷へ戻り、長編処女作「マダムはディナーに出られません」を発表。「失踪当時の服装は」(1952)で人気作家となり、高校教師や新聞編集者をこなしながら80年代末まで執筆活動を続けた。72年にアメリカ探偵作家クラブの会長を務め、89年には同会より巨匠賞が与えられている。2008年死去
熊木信太郎[クマキシンタロウ]
北海道大学経済学部卒業。都市銀行、出版社勤務を経て、翻訳者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
スイ
20
主人公である探偵シェリダンの妻ダイアナがめちゃめちゃキュート。 謎を解きつつ、隙あらばいちゃいちゃしている夫妻を見ているのが楽しかった。 犯人の手がかりのあれは、完全にクリスティの私が大好きな作品のあれだったのだけども。 一回誰かが書いたらもう使えないだろうと思ってたけど、意外と使われているんだろうか。2025/09/10
翠埜もぐら
16
探偵役にトラウマや「陰惨な過去」がある話は苦手なので今回みたいにお気楽いちゃいちゃ夫婦物は好きなのですが、1940年代の「スタイリッシュ」ってこんなもんなのか? 「かっこいいでしょ!」がわざとらしすぎてちょっと食傷気味でした。そしてお約束、証拠品の隠匿・情報漏洩。逮捕されても違和感ないくらいだけれど、警察幹部に知り合いいるとやりたい放題。いや、現実に即して見ちゃダメなジャンルなんだ。映画やドラマの台本ぐらいに思って「かっこよさ」を楽しむ小説なんだ。2025/09/25
本の蟲
13
長年読書を続けていると、作家同様ひいきの出版社もできてくる。自分なら早川や東京創元社、ハーパーコリンズ ジャパン等。しかし新刊を追う内に、気になっていた作品を忘れてしまうこともしばしばある。論創社には知らなかった古典作家を知る、あるいは著名な未読作品を思い出すきっかけとして大変お世話になっている。本作は警察捜査ミステリパイオニアと呼ばれるヒラリー・ウォーのデビュー作。78年経ってからの初邦訳だけあって、色々粗も目立つ。いずれ読むつもりで忘れていた出世作『失踪当時の服装は』に期待2025/08/10
一柳すず子
4
ウォーの新作期待したが、訳か原文が粗く、人の奥さんにセクハラどころじゃないちょっかいかますオッサンばっかりだし残念。ミス・パーソンズは頑張ってほしい!2025/08/17
MATSUKARE
0
ヒラリー・ウォーの『マダムはディナーに出られません』は、裕福な未亡人の失踪事件をめぐる心理サスペンス。夕食に現れないマダムを巡り、使用人や親族など複数の人物の視点から物語が語られる。それぞれの断片的な情報から事件の全容が明らかになる構成が特徴的。 登場人物たちの金銭への欲望や階級社会の葛藤といった内面を緻密に描き、張り詰めた心理的緊張感が物語全体を支配している。単なるミステリーを超え、人間の複雑な心の闇を深く探求する文学的な側面を持つ一冊。2025/09/11