出版社内容情報
本書は著者がこれまで研究テーマにしてきた、高等教育機関の中心に位置する「大学教育・研究」に関する考察・提案などを整理し、書籍化したものである。
まずは米国や英国の大学の歴史的な発展と取り組みを考察し、次に国内の文科省や内閣府の最新資料から21世紀中葉以降に向けた大学再生への探求と処方箋を読む。
次代の高等教育機関の構築は、組織の改編や意識改革の実施によって成熟期を迎えられるが、時期を失すれば衰退期に陥る。
本書では、大学の教育・研究が円熟期に入り、魅力を増すために必要な具体的な方策を提案するものである。
「大学教育とは何か」への答えとして、著者は「出口主義文化」の構築を今なすべき最重要課題と喝破する。
目次
第1章 大学発展過程―黎明期から成長期へ―(寡頭政治体制下における近代高等教育政策―明治維新から第一次世界大戦まで;日本の高等教育再生における米国の占領政策―新制大学構築;戦後新制大学の発展と改革動向:新世紀に向けて―学部教育課程から学士課程教育へ;学士力向上と質保証のためのFD―単位制度・シラバス・成績評価を中心にして)
第2章 米国・英国の大学からの管理運営に関する示唆と影響(米国の大学における理事会の役割:歴史的アプローチ;米国高等教育機関に対する認可制度―民間レベルにおける発展過程の考察;先進国のFD活動からの示唆―FD/SD活動の再定義への提案;英国の大学における質保証システム―教員能力基準と評価を中心に)
第3章 21世紀中葉の大学未来像―向かうのは成熟期か衰退期か―(21世紀の学士課程教育を求めて―教育型大学とリベラルアーツ;21世紀型文理融合のリベラルアーツ大学が求める学生像;専門知識を有する大学職員の養成:大学アドミニストレーション専攻―院生と創る新しい大学院像 ほか)
著者等紹介
武村秀雄[タケムラヒデオ]
米国ピッツバーグ大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。博士(教育学)。桜美林大学名誉教授。桜美林大学大学院で国際学研究科前期課程主任教授、博士後期課程教授、大学院次長を経て四ツ谷キャンパス長、教務部長を歴任。専門は高等教育論、日米大学制度論、大学理念研究、大学制度の国際比較。高等教育国際交流協会専務理事(~1990年)、日本英語検定協会1級検定面接委員(~2000年)、日本教育学会(~2017年)、大学英語教育学会(~2000年)、大学教育学会事務局長(2009年)、大学教育学会(~2017年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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