出版社内容情報
鎌倉時代末期、十六歳の足利高国(のちの直義)は、書の名人・世尊寺殿の手蹟を入手するよう母に命じられる。目当ての猫と引き換えに書を渡すと言う世尊寺殿。高国は彼の真意を探るべく京に旅立つーー。書をめぐる謎と静かな権力闘争の中、若き日の足利直義が野望に覚醒する!
内容説明
鎌倉末期、十六歳の足利高国(のちの直義)は、書の名人・世尊寺殿の手蹟を入手するよう母に命じられる。書をめぐる謎と静かな権力闘争の中、若き日の足利直義が野望に覚醒する!目当ての猫と引き換えに書を渡すと言う世尊寺殿。高国は彼の真意を探るべく京に旅立つ―。論創ノベルスが贈る歴史小説。足利尊氏の弟・直義が「名人の書」の謎に挑む鎌倉幕末青春ミステリ、見参!
著者等紹介
アグニュー恭子[アグニューキョウコ]
慶應義塾大学文学部卒業、同大学院文学研究科修士課程修了。エジンバラ大学にて言語教育学修士号取得。2021年、「入間川」で第52回埼玉文学賞小説部門正賞受賞。北アイルランド在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
恵美
3
ブロマンス風味のミステリー。直義、後の歴史を知っていると不器用すぎて戸惑う。けど可愛い。行伊さん、ほぼ真相しっていたけど、望む答が欲しくて若者二人を京に行かせたか。玉章がほぼ全体を見通せているのに、頭脳明晰なイメージの直義がわからないでいるとは。2024/11/12
千聖
2
まだ何者ではなかった足利高国(後の直義)と従兄の上杉憲顕がひょんなことから猫を探す羽目になる青春ミステリーです。章が短く区切られていて読みやすく、一口では説明できない人間関係の絡れもサスペンス的な要素があって面白かったです。中でも高国と憲顕の従兄弟愛は後の彼らの運命を想起させて、直接的な軍記物でなくても歴史物の面白さがありました! 2024/10/25
mah6maha
2
小さな謎掛けが大きな事件の謎解きに発展していくのにワクワクしっぱなしで、あっという間に読み終えました。また主人公と周りの人物たちとの真心が通ったやり取りに胸が温まります。 キャラクターとしてはタイトルにもなっている世尊寺殿の、うらぶれた雰囲気と過去を探っていくと見えてくる異なる一面のギャップが大好きです!2024/09/16
かどの炭
1
若き日の足利直義(作中では高国)と上杉憲顕の二人が、世尊寺流の姫君毒殺事件の真相を追う歴史ミステリ。柳営における足利家の立場や、公家社会との繋がりを取り上げているのが面白い。憲顕から高国への忠義と愛情も良い……。 史実を踏まえると、世尊寺殿世界の高国があの結末を迎えるのも欲張りすぎた(とは言いたくないが)せいなのか。2025/01/15
こと
1
本筋は面白かったけど、ところどころ挟まる描写と表現が悉く合わなくて物凄く苦手…… 基氏の小説が好きだったのだけど、こちらは期待したものではなかった…2024/11/17
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- 和書
- 春を背負って