出版社内容情報
本書は日本人のシベリア抑留という歴史的事象を音楽・芸術の地平から見渡すものである。生と死のはざまにあって人間の芸術、また人間の創造性という根源的テーマによって生き延びたという証言が数多く見つかるのである。
目次
序論 沈黙の時代から想起の時代へ
第1部 満州・シベリア・日本を繋ぐ音の記憶と文化表象(シベリア抑留前史;シベリア抑留下の日本人の文化創造活動;シベリア抑留における民衆の音楽;創作物に眠る記憶―二種類の『ソヴェート歌曲集(附)日本闘争歌集』
楽器バソンをめぐる一二〇年の記憶)
第2部 シベリア抑留を想起する(野町右京『北方物語』に見るナラティヴ;史料と想起―「新声楽劇団」をめぐる日露の三つの史料研究;四國五郎の死生観―創作に見るシベリア抑留の想起と表現;さまざまな「シベリアの想起」の言説;記憶の継承へ―アートの社会実装の試み)
著者等紹介
森谷理紗[モリヤリサ]
桜美林大学芸術文化学群非常勤講師。芸術学(音楽学)博士。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了(音楽学)。モスクワ音楽院大学院博士課程修了、同音楽院作曲科修了。2010年度日露青年交流事業若手研究者等フェローシップ“日本人研究者派遣”。第二回村山常雄記念シベリア抑留研究奨励賞受賞(2018)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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