出版社内容情報
過熱する慈善戦争、救いを求める匿名の手紙、そして殺人事件……。フラックス・バラに新たな災いをもたらす怪事件の残酷な真実とは。
内容説明
過熱する慈善戦争、身の危険を訴える匿名の手紙、そして殺人事件。浮上した容疑者は“真犯人”なのか?フラックス・バラで巻き起こる新たな事件に挑むパーブライト警部。ミス・ティータイムとの謎解きで明らかになる残酷な真実とは…。
著者等紹介
ワトソン,コリン[ワトソン,コリン] [Watson,Colin]
1920年、英国サリー州生まれ。ジャーナリストを経て作家となり、1958年に『愚者たちの棺』でデビュー。架空の町フラックス・バラを舞台にした“ウォルター・パーブライト警部”シリーズは全12作出版され、「浴室には誰もいない」(1962)と「ロンリーハート・4122」(67)は英国推理作家協会ゴールドダガー賞の最終候補に挙げられた。1983年死去
岩崎たまゑ[イワサキタマエ]
東京女子大学短期大学部英語科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maja
18
英国の田舎町フラックス・バラ。検視官、警察、新聞社に「大きな危険にさらされている。自分を亡き者にしようとしている」と訴えながらも同封したという写真が無い手紙が届く。これは被害妄想に陥った誰かの手紙なのか。やがて慈善団体婦人の殺人が起きる。パーブライト警部とラブ巡査のやりとりなど可笑しい。予想外の驚きもあるし変わらず面々の個性も楽しめるけど、注釈など案内標識の多過ぎる道をいくようで個人的にはあまり流れに乗れず。「ロンリーハート」の面白さをあらためて思い出したり。2023/09/22
イエローバード
11
お洒落なミス・ティータイムが活躍する『ロンリーハート」が楽しかったのでこちらも。「長年尽くしてきた伴侶に殺される、助けて」という内容の無記名の手紙が警察や新聞社に届き、当初はいたずらかと思われたが、やがて一人の女性が殺され……。地元民たちに胡散臭い探偵もからみ、なかなかいい雰囲気。手紙の謎解きも鮮やか。ただ描写が細かすぎる(解説によるとそれが著者の本領だそう)のと注釈が多すぎるのですらすら読めなかったのが残念。2023/08/28
Inzaghico (Etsuko Oshita)
11
前作で活躍したミス・ティータイムの生業?も明らかになり、さらには彼女の古い友人であるハイヴがなかなかおいしい役回り。イギリスなら、という感じの人物だ。医師をちょいとやってみてダメだったら私立探偵って(笑)。今回はハイヴがいなかったら物語が成立しなかっただろうな。 イギリス・ミステリあるあるで、謎解きの中心的な存在となる警察官や刑事の部下たちがとてもよい。働きはじめたばかりのような初々しい若手から、30代とおぼしき中堅も、それぞれの感情のひだや表情が書き込まれている。このあたりもとても好き。2023/06/08
UPMR
3
今のところハズレのないワトソン作品だが、これも中々に周到な佳品だった。シリーズ前作に引き続きミス・ティータイムが再登場し、今回はやや脇役に退いているが最後はパーヴライト警部と一緒になって推理に協力するなどやはりいいキャラをしている。前作同様、企みに満ちた構成で、一般の上流家庭で起こった殺人とミス・ティータイムの旧友の私立探偵ハイヴ氏の探偵活動がどう関わるのかが謎の中心。整然とした真相は納得感があるし、手掛かりと真相への煙幕の配置の上手さにも舌を巻く。特に身の危険を訴える匿名の手紙の意味には感心した。2023/08/11
えっこ
1
まずまず。単調な出だしに読むのを止めようかと思った。イギリスの裕福な片田舎が目に浮かぶのは良かったが、註釈が多く、またそれらがないと言葉遊びが全く分からない作品だった。2024/01/19