出版社内容情報
古来、まよけに最高のものとされる火とそれに連なる赤い色はもちろんのこと、黒色や白色も、桑木やススキや山椒に唐辛子、唾に糞に便所までもがまよけであった。現在では収集の難しくなった各地に伝わるまよけ・厄よけ・病よけの風習を数多く収める。
内容説明
“野”の民俗収集家の集大成。古来、まよけに最高のものとされる火とそれに連なる赤い色はもちろんのこと、黒色や白色も、桑木やススキ、山椒に唐辛子・米・小豆、音や臭い、唾に糞に便所に敷居までもがまよけであった。現在では収集の難しくなった、日本各地に伝わるめずらしいまよけ・厄よけ・病よけの風習を聞き書きの形で収録。好評『まよけの民俗誌』に続く第二集・全49項目。
目次
1 赤ちゃん
2 泣く
3 目篭
4 小豆餅
5 生ぐさ
6 正月
7 衣
8 口つけて飲まぬ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きのたん
2
迷信というよりも、努力の後でそれでも不運と戦おうとした人たちの記録と思って読めば、たとえ科学的には的外れであっても、判断材料の少ない中で少しの兆候も見逃すまいとする生きる気力に圧倒される。2024/01/12
コオロ
1
実際に旅をして見聞きした風習を「魔除け」のテーマでまとめた本。つまりは「迷信」ということなのだが、「実は科学的に正しかった」という先人の知恵として扱えるものだけがクローズアップされ、それ以外が消えていくというのはちょっと寂しい。正しくはなかったかもしれないけど、心情的には根拠があったという形で残してくれる人がいるのは、嬉しいこと。2023/05/14
志村真幸
0
『まよけの民俗誌』の続編だ。なお、没後に編まれたもの。 著者が全国を調査するなかで出会った「まよけ」「まじない」の風俗が並べられている。谷川などで「口つけて飲まぬ」ならわしがある理由、赤ん坊を厳重に衣でくるむこと、山椒をまよけに使う例、「風よけ」として鎌を立てること、墓場に節を抜いた竹を立てておく理由など、49項目に分類されている。 事典的な書きぶりではなく、自身の実体験や取材時の思い出、想像力あふれる解釈を交えながらの文章であり、おもしろい。著者の柔らかな視線も温かく、印象に残る一冊だ。2023/10/14
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- 和書
- 義堂周信 日本漢詩人選集