出版社内容情報
殺人は自策で
訳者あとがき
内容説明
人気作家への連続盗作訴訟。ネロ・ウルフ、出版界の悪意に挑む!
著者等紹介
スタウト,レックス[スタウト,レックス] [Stout,Rex]
本名レックス・トッドハンター・スタウト。1886年、アメリカ、インディアナ州ノーブルズヴィル生まれ。数多くの職を経て専業作家となり、58年にはアメリカ探偵作家クラブの会長を務めた。59年にアメリカ探偵作家クラブ巨匠賞、69年には英国推理作家協会シルバー・ダガー賞を受賞している。1975年死去
鬼頭玲子[キトウレイコ]
藤女子大学文学部英文学科卒業。インターカレッジ札幌在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たま
46
久しぶりのネロ・ウルフ、59年の作品でなんと2022年本邦初訳。以前はポケミスやミステリ文庫でたくさん翻訳が出ていたが最近はあまり店頭で見かけない。女性蔑視やアフリカ系アジア系の扱い(視野にない)が古くさいが、初期(戦前)の作品はミステリとして面白いし、殺人事件の舞台が企業や同業者組合だったり、探偵と依頼人の契約が重要だったりは新鮮だったと思う。この作品もとてもウルフ的。久しぶりに読んで、マンハッタンにアパートメントハウスを所有し、専属の料理人や秘書がいる(掃除と洗濯は誰が?)-そんな気分を楽しんだ。2022/06/30
翠埜もぐら
18
論創海外ミステリで初のネロ・ウルフ長編物。今回多少の例外はありつつも、いつものように閉じ籠りのネロ・ウルフと歩くたびに死体にぶつかるアーチー・グッドウィン君でした。ベストセラーを盗作であると脅迫して多額のお金を合法的に脅し取った人物を探すはずが連続殺人に発展してしまい、無表情ながら責任を感じているネロ・ウルフが犯人を追い詰めます。手駒の探偵たちやクレイマー警視などお馴染みがずらっと勢揃いし、長編ながら(3人も死んでいながら)かなり気楽に楽しめました。でもレックス・スタウトの罠にはまって犯人あては大外れ。2022/11/05
ヴィオラ
12
久しぶりのネロ・ウルフ。第1章の結びの一文を読んで「これこれ!この感じ!好き好き!」となっちゃいました。楽しかった。既読のウルフ長編と比べても結構ウルフっぽさ強めで、初めてウルフ長編を読む人にもオススメしやすい。「読者への挑戦」的な趣向もあり、そういうの好きな人にも。 雑誌「EQ」を前号集めちゃうくらいにはウルフ好きなので、是非ともどんどん長編の翻訳をすすめていただきたい!2022/08/27
カーゾン
5
L:スタウトの長編(短めだけど)としては久しぶりの訳出。謎の解明部分が他の著作と同様あっさり気味だけど、ドル・ボナーも出てくるし、ウルフが肉とビール絶ちする姿も新鮮だし楽しめました。グッドウィン君の女性との洒脱な会話が殆ど無かったのは、舞台となったのが当時の出版業界だから仕方がないのかな? 光文社EQで5分冊になっている「Xと呼ばれる男」がやっと5巻揃ったから今後ゆっくり読み進めます。2022/11/10
りふりヴ
4
久々のネロ・ウルフ 露骨に次々と起こる詐欺めいた盗作訴訟事件、黒幕を探ろうとすると次々と消される容疑者達… まったく大したストーリーテラーである たまにアーチーがウルフについて悪態をついてるのが笑える2023/02/02