著者等紹介
コーヴァン,アンリ[コーヴァン,アンリ] [Cauvain,Henry]
1847年、パリ生まれ。パリ大学法学部を経て、中央財務局に採用され官吏を務めるかたわら、創作活動をおこない、71年に処女作『マクシミリアン・エレールの冒険』を刊行する。推理小説や歴史小説を手がけて文学協会の会員に選出され教育功労章を受章し、官吏としても要職を歴任した功績からレジオン・ドヌール勲章を叙勲された。1899年死去
清水健[シミズタケシ]
1966年、東京生まれ。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ数学科博士課程修了。日本シャーロック・ホームズ・クラブ(JSHC)、フランス・シャーロック・ホームズ協会(SSHF)およびロンドン・シャーロック・ホームズ協会(SHSL)会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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SIGERU
19
1871年にパリで刊行された本書は、ロマン・ノワール。犯人の正体は早期に明かされ、その後の探偵と犯人との闘争に力が注がれている。犯人は職業的犯罪者で、医学の心得があり、クラーレ毒や砒素を使いこなす。毒殺方法に工夫があり、未だ未分化とはいえ、ミステリとしての結構をも兼ね備えている。さらに、田舎の古屋敷、夢遊病の女、犯人に飼われている獰猛な熊など、煽情的な道具立てにも事欠かない。しかし何より、本書の最大の特徴は、書誌学的興味。探偵役のエレールが、シャーロック・ホームズのモデルと目されているのだ。2021/07/23
けんさん
14
『フランス版シャーロック・ホームズの冒険』 2021年5月初版発行だったため、最近のミステリー作品かと思い図書館で借りてきた。読み始めると、ん?何だか雰囲気が違うぞ。。作者1871年の処女作だった。しかも、ホームズの冒険と瓜二つ!予想外に面白かった!2021/07/30
旅人(𝒕𝒂𝒃𝒊𝒕𝒐)
10
19世紀のフランス・ミステリだが、訳のおかげでそれほど読みにくさもなく、展開も難しくはないので面白く読めた。もしかしたらシャーロックホームズのモデル?というくらい似ているようだが、私はホームズを読んでいないのでわからない。これを機に…といくかどうか。主人公の「病気」は憂鬱症なのかアヘン依存からくるものなのかはよくわからないが、事件に挑む時には別人のような行動力を発揮する。事件が終わって、元の人間嫌いに戻ったマクシミリアンを旅に誘い出す彼との友情はずっと続いてほしい。エピローグはとても良かった。2021/10/12
mercury
3
シャーロック・ホームズのモデルと言われるという紹介文に引かれて読んだ。英仏の違いがあるように思うが、確かにホームズとワトソンみたいな雰囲気がある。エピローグは泣ける。指紋など気にしなくて良い時代の感じも好き。2021/09/24
翰林菩薩
0
コナン・ドイルが本書に影響を受けているという説は、ほぼ不可避なレベルで正しいのではなかろうか。それほど設定描写は似ている。内容はミステリーよりもサスペンス風の冒険小説。2023/01/02