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内容説明
本書は、神の子などと呼ばれながら、心に傷を負った子どもたちが、自分の言葉で語った壮絶な記録である。彼らの言葉と痛みにどれだけ共感できるか。これを読む私たちが、いま試されている。
目次
プロローグ 「神の子」の骨折
第1章 超人類の子―オウム真理教
第2章 エホバの証人の子―ものみの塔聖書冊子協会
第3章 神の子―統一教会
第4章 未来の革命戦士―幸福会ヤマギシ会
エピローグ ママの魔法がとけますように
巻末資料 一九九八年一一月三重県が実施したヤマギシ学園の児童・生徒へのアンケート
著者等紹介
米本和広[ヨネモトカズヒロ]
1950年、島根県生まれ。ルポライター。横浜市立大学卒業。「繊研新聞」記者を経て、フリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
104
親がカルトにのめり込んだ子供たちの物語である。生まれてきたら 親がカルトに入っていた子供たち…正直カルトにのめり込む心情が 理解できないために、献身の異常さに 戸惑いを隠せない。 閉ざされた世界で洗脳された子供たちは どんな日々を強いられてきたのか… 四つの事例を丹念に取材した労作である。2023/02/10
たまきら
45
2004年に出版された本が土台になっています。オウム真理教をはじめさまざまなカルト宗教のもとで子ども時代を奪われた人たちによりそった渾身のルポは、正直 読みにくいです。けれども目をそらしてはいけないと思います。最近は二世の人たちが発言をするようになってくれていますが、それまではここで紹介されているようなこどもたちの血を吐くような証言は他では読めなかったのではないでしょうか。もっと知られるべき現実だと感じました。2023/03/28
チャッピー
39
2000年に出版された本の復刊。オウム、エホバ、統一教会、ヤマギシ会の信者の子供として生まれ育った子たちのルポ。信教の自由が認められている国で子供たちは何も選択する余地もなく育てられる上に虐待まで受けている。未来を担う子供たちの扱いが酷すぎて信じ難い内容だが、自分が知らなかっただけでこれが現実なのだろう。ヤマギシ会の子供たちが書いたアンケートが物語る。初版から20年経っているが、現状はどうなんだろう。2021/06/02
鷺@みんさー
37
『洗脳の楽園』既読。最近では高田かや著『カルト村で生まれました』も読んでいたので、ヤマギシのイメージがまた少し変化したが、本書は2000年が底本。ヤマギシの暴力は本当に凄まじいの一言で、他にもエホバのムチについて元信者の証言が豊富。内容が具体的で読んでいて本当に辛い。麻原逮捕時のオウムの子、統一教会の子と出てくるが、まだこの時代はカルトに対して好奇めいた興味は持たれていても、二世問題に着目している人は少なかったはずだ。その中でこれだけ丁寧にルポを書く姿勢は傾聴に値する。→2023/09/27
それいゆ
26
2004年に発行された文庫本を底本にしたと書かれていますが、オウム真理教の事件の影響でエホバの証人も統一教会もヤマギシ会も忘れ去られてしまい、安倍元首相の暗殺事件が起こった結果、急にカルト宗教に目が向きはじめ、旧統一教会に質問権を行使するまでに至ったということですね。20年遅かったのでは。オウムもエホバも統一教会もヤマギシ会も、これらの子どもたちの雰囲気は共通項だらけだと改めて気づいた次第です。2022/11/23