内容説明
クリスマス・キャロルの響く小さな町。井戸から発見された死体が秘密の扉を静かに開く…。無秩序に散りばめられたように見える謎の欠片から、読者は真相を組み立てられるか?全てのヒントは目の前にある。
著者等紹介
ウィッティング,クリフォード[ウィッティング,クリフォード] [Witting,Clifford]
1907年、英国ロンドン生まれ。銀行勤務中より執筆活動を始め、37年発表の長編作品“Murder in Blue”でミステリ作家としてデビュー。第二次世界大戦中は軍役に就き、復員後は再び作家としての活動を再開してコンスタントに作品を発表し続けた。1968年死去
福森典子[フクモリノリコ]
大阪生まれ。通算十年の海外生活を経て国際基督教大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maja
19
クリスマスの英国架空の町ダウンシヤーが舞台。デフレイン夫人の熱心な誘いで妻とともに彼ら夫妻の邸宅で過ごすことになったラサフォード。キャロリングを行いながら一緒に募金活動をしていた男が行方不明となってしまった。彼は邸宅に滞在するグレッドヒルと調査を始めるが、思わぬかたちをとって謎は広がっていく。1939年の作品。ちょっとしたユーモアもよく効いて登場人物たちの関わりや掛け合いなどの流れの細かさから窺う雰囲気が好みで楽しめた。 2023/11/01
三門 優祐
6
クリスマスの募金集めイベント「キャロリング」の途中で姿を消した男に何が起こったか、そして彼はいかなる人間であったかという謎を、アマチュアコンビのドタバタ珍道中、そして警察による入念な捜査で描いていく。小さな町に閉じた前半はやや冗長ながらも、丁寧でストイックな展開が好み。勢いはあってもアウトラインをなぞるばかりで核となる全体の構図が見えてこない中盤から終盤はもどかしいが、「探偵小説に偶然の要素はない」と言わぬばかりに些細な描写がアレもコレも生きてくる意外な結末は楽しめた。2021/10/19
tokyo-zodiac
4
わたし(ジョン・ラサフォード)は妻モリーの家族と古くから付き合いのあるデフレイン家で数日滞在することに気乗りしなかった。何故ならシビル(ミセス・デフレイン)はポールズフィールドの町に存在する慈善活動団体すべてと係わりがあり、彼女の知人たちは否応なくその活動に巻き込まれるからだ。不安は的中し、わたしまでキャロリング(募金活動)に引き込まれる。油漏れのするカンテラを持たされ、シビルたちにくっついて行く中、家々を回っての募金を任されていた内の一人で、移動セールスマンだというトーマス・ヴァヴァソーが集合時間を… 2021/06/26
チェス
3
コミカルに始まったかと思いきや、ミステリでした。何ともまあ殺されたお人も、ねぇ。楽しめた。2023/10/24
よだみな
2
導入が長かったのだけれど、だんだんおもしろくなってきて、犯人ははずれた。しかし、うろうろかぎまわっていた気のいいあの男はなんだったのか2021/03/21