内容説明
認知症から学んだ極上のメソッド!ここに、世界を変えるヒントがある!!
目次
第1章 「認知症科」をつくるまで
第2章 認知症は「家族的な病」
第3章 認知症とはなんだろうか
第4章 ボクが「認知症科」をつくった理由
第5章 認知症患者のこころはどうなっているのか
第6章 だれもが認知症になる世界に向けて
著者等紹介
井桁之総[イゲタユキフサ]
埼玉県出身。群馬大学医学部医学科を卒業し、同大学医学部附属病院神経内科、東京都老人医療センター(現・東京都健康長寿医療センター)で研修教育を受ける。群馬大学医学部大学院医学系研究科を卒業して医学博士を取得し、同大学神経内科助手(現・助教)。同大学医学部附属病院神経内科、前橋赤十字病院、日本赤十字社医療センターで神経内科と救急・震災医療に従事。その後、国家公務員共済組合連合会虎の門病院で高齢者総合診療部と認知症科を立ちげる。同部長、認知症疾患センター長。日本認知症学会専門医・指導医、日本神経学会専門医・指導医、日本老年医学会専門医・代議員、日本内科学会指導医、日本赤十字看護大学非常勤講師、聖路加国際大学非常勤講師。専門は認知症超早期診断(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
76
認知症科を2015年虎ノ門病院に立ち上げた。認知症の超早期診断が専門だが、ご自身の体験から認知症とは「極めて家族的な病」であると看破する。本人と家族の関係性を見極めて、本人と家族に適切なアドバイスをすることが肝。周辺症状に関しては薬剤を使用するが、トラに麻酔銃を撃つようなもので根本的な解決には至らない。認知症の患者のこころを知り、尊重し、コミュニケーションを適切にとれば「治る」と著者は説く。介護者のための「ケアラー外来」も立ち上げ、介護者にも目配せを行う。著者の言う新ノーマリゼーションの提唱に賛同します。2020/11/04
kou
17
こういった志のある病院と専門医が近くにいるだけで、どれだけの認知症の方とその家族が救われることか、想像もできない。本書の内容も、認知症に悩む家族、医療従事者、介護職員、認知症に興味が無い人も一読の価値があると思うが、一番印象に残ったのは、あとがきだった。「終始、極めておだやかであった」・・・この言葉に震え、そして、感動し涙が出た。2020/12/06
Carol
2
確か『ぼけますからよろしくお願いします』に本書のことが書いてあり、興味を持った。「できなくなったことを指摘するために障害を知るのではありません。苦手になったことにさりげなく手を差し伸べ、患者がいままでと同じ生活ができるようその障害を知るのです」という言葉が印象的だった。介護施設でもプロの介護士でも認知症の方の「できないこと」を大声で指摘して、やろうとしたことを制し、持っているものを取り上げる人がいる(しかも結構いる)。認知症の方に「失敗してしまった」と思わせない配慮を忘れないようにしよう。2024/06/21
okatake
2
冒頭、ダメダメ対応の息子が登場する。それが、著者であり、医師の井桁さん。その後、虎の門病院で認知症科を立ち上げて現在も運営されています。 この書の中で、著者は認知症は「家族的な病」としている一方、認知症の「認知」という言葉を取り上げて、「認めて知る」ことの大切さを訴えています。 寺内貫太郎が認知症になったら、星一徹が認知症になったら、そして波平さんが認知症になったらと。それぞれの家族環境の中での予測は具体的で想像しやすい事例だと思います。2021/10/02
海戸 波斗
1
わかい看護士が…が出てきたところで引いた。レオナルドダ・ヴィンチに憧れて著者紹介。正解は無いということを繰り返し思う。願わくば、私の出した答えに周りの人が寄り添ってくださいますよう祈ってる。他人の都合に振り回されるのは迷惑だよね。知ってる。2020/12/23