内容説明
シェイクスピアに続き、世界でもっとも上演される近代劇の父、ヘンリック・イプセン。女性解放を促した不朽の名作に詳細な注釈を付す。
著者等紹介
毛利三彌[モウリミツヤ]
成城大学名誉教授(演劇学)。文学博士、ノルウェー学士院会員、元日本演劇学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙新潮部
56
思っていたものとはまるで異なるストーリーでした。虐げられた女性が主人公かと思っていましたが冒頭からマカロン食べてます(今から150年前)。日本では30年前にようやく広まったというのに。誰でも他人に秘密にしていることがあります。本当に全てをさらけ出させる人は少ないでしょう。ドラマは往々にして正直に話さないことから始まります。しかし、秘密にするのは相手のためを思ったり自分の心を守るためであったりします。さて、人間の大きさとは何でしょう。包容力でしょうか。しかし包容力を誇示されるほど醜悪なものはありません。2025/10/23
コニコ@共楽
17
10代で読んだ時は、ノーラが結婚生活がいやで出ていったお話だと思っていた。今回、あらためて夫、ヘルメルが、妻、ノーラのことを”お人形”扱いしていたと感じた。150年ほど前に出版されたこの戯曲は、今の価値観からいうと古臭いものにも思える。しかし、”結婚”という社会のルールを考えると、実は男性が作った法では、この戯曲が書かれた時とあまり変わらないのではないかと思ってしまう。ノーラが法を犯した点では、彼女の愛情による無知が原因であるが、彼女を裁こうとする社会を学ぶために出ていこうとするノーラの姿勢に共感できる。2025/10/24
コニコ@共楽
11
時代に耐えてきた名作は、再読こそ美味と思える。冒頭から注意深く読んで、登場人物の描写にも注意を払っていくと、イプセンの劇がいかに巧みであるかに驚かされる。ノーラの登場は楽し気なハミングからの帰宅。マカロンを秘密で食べることからノーラのささやかな隠し事が暴かれる。登場人物もノーラの視点を変えた鏡のような設定になっていてノーラの人形扱いという現状が浮き彫りにされ、大きな隠し事がヘルメルにバレてしまう。ラストのドラマチックな展開でノーラの「奇跡中の奇跡」をヘルメルは全く理解できずノーラは家を出るシーン、圧巻だ。2025/11/27
nightowl
2
緩やかに不穏な空気が流れてゆくのが岩波文庫版翻訳だとすれば、こちらは絶えずせっつかれているような息苦しさを感じる。ノーラ×クログスタや夫婦間の盛り上がりがクライマックスになる場面の緊迫感は断然当翻訳を選ぶ。2021/05/30
Pilemaestra
1
図書館本。家族の考えかたの参考本として読みたかったのだ、個展演劇の翻訳本だった。ある意味脳内演劇でとても面白かったが、最後の毛利さんの解説を拝見して理解したところがある。この本は解説から読むのも良いかも。2025/12/07
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