内容説明
追い求めた理想社会とは。自律的かつ創造的な市民共同体を求めて、著者自身の歩みとともに、現代を問い直す或るアナキストの長大なモノローグ。遺稿となった未完の小説。戦後日本の歩みを自分史に重ねて再構築する試み。
著者等紹介
江口幹[エグチカン]
1931.2‐2019.1。職業軍人の子として岩手県に生まれ、東京で育つ。私立成城中学を経て仙台の陸軍幼年学校へ進むが14歳2年生の時に敗戦を経験。復学した成城中学をその年3年生で中退、15歳で家出。1947年『週刊平民新聞』を通じてアナキズムを知る。同紙専従の後、大阪労働組合の専従を経て東京にもどる。50‐53年結核のために療養生活、その間にヴァレリーと出合う。54年交通関係の業界紙記者となり、60年からはフリーの編集者兼ライター。65年仏語学習のため渡仏、仏のアナキストと交流する。67年ゲランの『現代のアナキズム』を翻訳・刊行。68年再度渡仏して五月革命を体験、またカストリアディスの著作を知る。60年代後半より五月革命や欧州での社会運動の潮流の紹介や評論活動を展開した。74年からはカストリアディスの理解に努め、80年代に入ってカストリアディスの翻訳と紹介に務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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