内容説明
平和な地方都市が孕む悪意と謎。レイクビューの“シャーロック・ホームズ”が全てを見透かす大いなる叡智で難事件を鮮やかに解き明かす!
著者等紹介
ペンティコースト,ヒュー[ペンティコースト,ヒュー] [Pentecost,Hugh]
1903‐1989。本名ジャドスン・ペンティコースト・フィリップス。別名義にジャドスン・フィリップス、フィリップ・オーウェン。アメリカ、マサチューセッツ州ノースフィールド生まれ。コロンビア大学在学中にジャドスン・フィリップス名義で探偵小説の第一作「二十三号室の謎」を発表。39年に初の長編作品“Cancelled in Red”でレッド・バッジ・ミステリ賞、82年に「過去、現在、そして殺人」で第4回ネロ・ウルフ賞を受賞した。73年、長年の功績を称えられアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞が授与される
熊木信太郎[クマキシンタロウ]
北海道大学経済学部卒業。都市銀行、出版社勤務を経て、翻訳者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
116
アンクル・ジョージが過去に検事として無実の人を起訴して電気椅子送りにしたというのは、主人公としては衝撃の過去設定だ。知的障害を持つ青年の接し方とか、私的復讐は許されるべきかとか、現代にも通じるテーマを持つ。ジョージを全否定する義弟のヘクターが、笑いとスパイスの要素に。ホームズ物なんか文学じゃないというヘクターが、探偵小説に助けられるというオチは笑える。解説が単なる粗筋紹介になっているので、あまり意味がない。2021/05/23
ゆのん
69
9編から成る短編集。どの話もサスペンス的で面白い。12歳の少年・ジョーイのヒーローは伯父・ジョージ。明晰な頭脳を持ち、森の隅々まで熟知している。そして賢く従順な愛犬ティミーも素晴らしく可愛い。伯父と甥の強い絆を気に入らない薬剤師の父親と息子を愛し兄を尊敬する母親。全ての事件はレイクビューという小さな町で起こる。殺人事件や詐欺事件など小さな町とはいえ侮れない。タイトルにあるようなシャーロック・ホームズ的要素は全く感じないが面白かった。2021/01/01
Book Lover Mr.Garakuta
11
図書館本:9本のサスペンス短編小説。★2個くらいか2021/02/27
ふかborn
11
シャーロック、とあってもミステリにあらず。いや、ミステリなんだけど、よく頭が回るおじちゃんっていうか、甥のジョーイが小林少年だわとか。そもそも読み始めから時代設定が気になって、作者の年齢から恐らくここら辺、というのは想像していたが、登場人物のひとりが太平洋戦争から帰ってきて云々とあったので、マジか、想定年代もっと早いのかと、頭の中で登場人物の衣装を早着替えさせたのだ。最後の中編「我々が殺す番」を盛り上げる為の、短編群でのジョージ伯父さんの活躍とジョーイの可愛さ大盤振る舞い。レッド保安官の扱いが気になる所。2020/07/01
Susumu Kobayashi
8
アメリカのヴェテラン作家ヒュー・ペンティコーストの短篇集で、〈アンクル・ジョージ〉ことジョージ・クラウダーが探偵役として活躍する作品が集められている。8つの短篇と1つの中篇を収録。ジョージを慕うジョーイ少年が人質に取られる「どこからともなく」はサスペンスがある。当人の立場に立って思考することによって真相に到達する「人の内側」と「レイクビューの怪物」が印象に残る。中篇「我々が殺す番」もサスペンス豊かで、力作と言える。この本の出版は解説を執筆したファンの熱意の成果のようだ。巻末の書誌も充実している。2020/08/19
-
- 和書
- リヴォフのオペラ座