内容説明
1950年代前半、東京・名古屋・大阪などで日本共産党が繰り広げた武装闘争の実態と、朝鮮戦争において在日朝鮮人が果たした役割とは。特別付録として、昭和29年に国家地方警察本部が発行した「共産主義運動の実態―とくに日本共産党の地下活動について」全文を収録。
目次
1章 日共の武装闘争と在日朝鮮人
2章 日本も戦場だった朝鮮戦争―在日朝鮮人と中国共産党(日本共産党の武装闘争=朝鮮戦争の後方戦線=の知られざる実相;日中北の共産陣営「最大の恥部」ヘロイン)
付録 共産主義運動の実態―とくに日本共産党の地下活動について(昭和二十九年三月、国家地方警察本部)
著者等紹介
安部桂司[アベケイジ]
福岡県生まれ。工学院大学に学ぶ。通産省東京工業試験所、同・化学技術研究所を経て、物質工学工業技術研究所主任研究官、化学技術戦略推進機構研究開発部つくば管理事務所所長を歴任。化学専攻、朝鮮・満洲の鉱工業史の研究に従事。この間在職中の、東京工業試験所80年史の編纂委員を務める。公害対策技術、北朝鮮科学技術にかんする論稿多数。現職・東アジア貿易研究会研究顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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軍縮地球市民shinshin
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現在の共産党シンパは、かつて日本共産党が暴力革命を起こして新政府を樹立することを目的としていたことを知っているのであろうか。最近「共産党は暴力手段に訴えたことはない」と言っているがそれは間違いである。1951年2月開催の第四回全国協議会で「軍事方針」を決定し、さらに10月の第五回全国協議会で「武装の準備と行動を開始しなければならない」と遊撃戦戦術を採用することを決めている。ちょうど朝鮮半島では朝鮮戦争の最中で、日共の武装闘争は「後方攪乱」の役目があった。当時の日共の資金源は中共が覚醒剤を売りさ2020/09/11
kenitirokikuti
11
図書館にて。4年ぶりに再読。内側から見ると大日本帝国と日本国との不連続を感じるのだけど、そんなものは日本列島上からの虫瞰図に過ぎない。モスクワ=国際共産主義運動の鳥観ではこうなる。半島に続き大陸でも共和国が樹立した。〈当時のコミンフォルムは日本の革命よりも朝鮮戦争における中朝軍を主体とする共産陣営の勝利を優先させた。[…]資本主義陣営の後方基地・軍需基地と化した日本を壊すことが朝鮮戦争の勝利に繋がると確信していたのだろう。〉(p.21) 中核自衛隊・山村工作隊・祖国防衛隊の参加者が書き残している…2023/10/03
kenitirokikuti
11
「日共の武装闘争と在日朝鮮人」亜細亜大学アジア研究所紀要42号(2016) https://www.asia-u.ac.jp/uploads/files/20160513092744.pdf と、「日本も戦場だった朝鮮戦争~在日朝鮮人と中国共産党」月刊正論2015年6月号と7月号 https://seiron-sankei.com/9101 を収録。付録に国会地方警察本部「共産主義運動の実態 -とくに日本共産党の地下活動について-」(昭和29年)▲スターリン時代、日共と朝鮮総聯の境界は曖昧だった。2019/12/18
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