内容説明
エンタメ演劇ファン、ヒッチコック映画ファン、そして『刑事コロンボ』ファン必読。傑作“倒叙ミステリ”戯曲、満を持して登場!三谷幸喜氏の序文を併録!
著者等紹介
ノット,フレデリック[ノット,フレデリック] [Knott,Frederick]
1916‐2002。本名フレデリック・メイジャー・ポウル・ノット。英国の劇作家・映画のシナリオライター。中国、漢口生まれ。ケンブリッジ大学卒。映画の脚本家を目指し、映画会社に勤務した後フリーランスに。『ダイヤルMを廻せ!』で劇作家としてデビュー
圭初幸恵[ケイショサチエ]
北海道大学文学部文学科卒。インターカレッジ札幌で翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
71
【『原作・ノベライズ週間』参加】1954年制作、アルフレッド・ヒッチコック監督によるサスペンス映画の原作。トニーがレズゲイトを自分の仲間に引き込んでいく際のストーカー並みの用意周到さ、完全犯罪間違いなしと思われた殺人計画が失敗した後マーゴがかえって苦境に陥っていく状況、などが巧みに描かれた心理サスペンス。ピリピリした緊迫感を必要とする戯曲だから、読むときも一気に読むべきだろう。実はこれが日本では初出版というのは驚きだったが、小説ではなく戯曲だからだろうか。2018/09/23
クラムボン
16
ヒッチコックの映画で知られている作品だが、2018年になって初めて翻訳されたのは、戯曲の読み辛さが響いているのか? 本作品は英国の質の高いミステリ舞台劇だと思うが、ト書きをキッチリ読む必要があるので、舞台のイメージを膨らませて、なおかつ物語に没入するには慣れが必要なのだろう。作者のフレデリック・ノットは超寡作の劇作家…オリジナルは三作品のみ。ただヘップバーン主演の「暗くなるまで待って」も彼の作品なので、ミステリーファンとしては、少々気になる存在だ。2023/06/04
くみ
15
場面は部屋の一室のみで少ない登場人物、それだけでももう期待大!特に後半、この状況からどう逆転するのか!?に、ドキドキしました。そんなにページ数も多くないのにぎゅっと濃縮されていて、どんどん引き込まれる。解説にもあるようにヒロインのマーゴが共感しにくくもあるのですが、それでも解決したときは、ほっとしました。舞台や映画もみてみたい。2018/09/27
yyrn
11
『ダイヤルMを廻せ!』(54)はどんな映画だったか?他のヒッチコック映画とよく混同してしまう。妻を殺そうとする話が多いから(笑)。いずれにせよ、映画や舞台で観る分には申し分なくハラハラ・ドキドキさせられる一級のエンターテイメント作品だと思うが、一人静かに文章でシナリオを読んでいると、考える時間があるせいか(疑問の箇所で一旦立ち止まり色々考えられるので)矛盾が見えてしまうのが少し残念。まして濡れ衣を着せられるのがグレース・ケリーではね、みんな彼女に肩入れしてしまうだろうな(笑)。2018/08/28
koo
7
ヒッチコック映画の原作として名高い戯曲作品をこの度読みました。主要登場人物が僅か5人の倒叙形式の作品ですがセリフとト書きだけでも充分サスペンスフルに描かれていましたね、ト書きで伏線を仕込んで終盤に犯人を追い詰める部分で回収する所も見事。解説の映画と比較した詳細な考察が素晴らしく未視聴の映画も一度見てみたくなりました。2023/08/28