内容説明
ユング派心理療法の名著、復刻。日本の「昔話」西洋中世の「錬金術」そしてクライエントの「夢」。これらの分析を通して、織田心理療法の核である「変容性逆転移」について考察し、心理療法の根本課題を開示する。
目次
夢と非日常
布置の逆転
コスモロジーの視点
怒りと心の変容
身体の覚醒
治療者と患者の間
心理化
想像力
容器の体験
破壊的なものl
現実を夢として聴く
著者等紹介
織田尚生[オダタカオ]
1939年高知県に生れる。東洋英和女学院大学人間科学部教授などを歴任。1974年鳥取大学大学院医学研究科修了(医学博士)。1984年チューリッヒ・ユング研究所分析家資格取得。専攻は精神医学、臨床心理学、分析心理学。2007年逝去(5月11日)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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・心理療法における「破壊的なもの」の意義につき、著者のvulnerabilityが活きた御意見が示されており有難い。--心の傷付きが癒されるためには、その対極にある破壊性や絶望の心性を入れ込んでいかないと進展しない。そして当然、治療者自身ある程度は暗闇や絶望を体験できている必要がある。 ・お弟子?の心理士による復刻版あとがきも好。--精神疾患的症状を呈するケースでは、「悪化させてはならない」という大義名分のもと、すぐに医療機関にリファーしてしまい、「こころの治療」という本分を疎かにしてはいないか。