内容説明
私立探偵アンドレ・ブリュネルと奸智に長けた犯人の火花散らす頭脳戦。勝利の女神はどちらに微笑むのか?古めかしい城館“震える石”で続発する怪事件。
著者等紹介
ボアロー,ピエール[ボアロー,ピエール] [Boileau,Pierre]
1906‐89。フランス、パリ生まれ。商業学校卒業後、さまざまな職に就きながら雑誌へ小説を投稿し続けるうちに実力が認められ、34年に「震える石」で作家デビューを果たし、38年には「三つの消失」で冒険小説大賞を受賞する
佐藤絵里[サトウエリ]
東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業。英語、フランス語の翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
27
婚約者の不審な行動を目にしたのだからつけいる隙はいくらでもあるが、今回はあるあるパターンの「私立探偵がヒロインに恋をして泥沼」はない。人間消失のトリック。 2017/05/04
飛鳥栄司@がんサバイバー
24
ボアローのデビュー長編。事件開始からスピーディーな展開で読者を引き込んでいく。アンドレ・ブリュネルのアグレッシブな冒険譚となっており、犯人との対決の構図がハッキリしていることもあり、ハラハラワクワク感が止まらないが、事件の本質的な謎については、後付け的な要素となっており、ミステリ部分は少々残念であった。この物語の構成力が後にトーマ・ナルスジャックと組んでから本領を発揮していくのかと思うと、とても興味深く読めた。「海外ミステリを普段あまり読まないが、スカッとしたライトミステリを読みたい」という人にお薦め。2016/12/24
やっす
14
トーマ・ナルスジャックとのコンビ結成前に書かれたアンドレ・ブリュネルシリーズの一作にして、ボアローのデビュー長編。ボアローの作品はこれの他に『六つの殺人者なき殺人』を読みましたが、巷で酷評されている程ではなく、結構楽しく読めた印象があったので今回も密かに期待していました。全体の感想としては、章立てが短く区切ってあるのと、冒頭から事件がスピーディに展開されていく事もあり、非常に読みやすいです。ミステリとしても探偵対犯人という構図がはっきりしているので読んでいて常にワクワクさせられるし、諸々の謎めいた場面の→2016/12/13
cinos
10
長編というより中編という感じ。列車での襲撃未遂事件から脱出不可能な部屋からの犯人消失などぐいぐい引き込まれていきます。消失前に犯人が笑うのが笑えました。2017/04/17
月華
4
図書館 新刊コーナーで見かけて借りてみました。お金によって起きた事件、という印象でした。巻き込まれた人たちを痛々しく思いました。探偵がぐるぐる悩んでいる様子がとても人間らしく思いました。2017/01/11