著者等紹介
ギルバート,アントニー[ギルバート,アントニー] [Gilbert,Anthony]
1899‐1973。本名ルーシー・ビアトリス・マレスン。英国、ロンドン生まれ。家計の窮迫が原因で女子校を退学後、赤十字、食料省、石炭協会などで働く。1925年にJ・キルメニー・キース名義で作家としてデビュー。その後、男性名アントニー・ギルバートで書いたクルック弁護士シリーズの成功により、本格ミステリ作家の地位を築く。50年の間に約70の長編を発表。ほかにアン・メレディス名義でもミステリ作品を執筆している
友田葉子[トモダヨウコ]
非常勤講師として英語教育に携わりながら、2001年、『指先にふれた罪』(DHC)で出版翻訳家としてデビュー。津田塾大学英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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本木英朗
30
弁護士アーサー・クルック氏の住むフラットで隣人が突如、消息不明になる。行方を追い、彼の叔母の家を訪ねる氏だったが、同じころフラットの別室では女性の死体が発見され……。序盤はやや迂遠な展開で、設定が頭に入りにくい。しかしクセのある人物が立て続けに登場し、茫洋かつ錯綜した人間関係の中に、ある構図が見え始めるにつれ、謎は吸引力を増して行く。戦時下、灯火管制中のロンドンという舞台設定は、物語に起伏を与えてはいないものの、重要な意味を果たしていることも納得できるだろう。伏線の妙が味わえる犯人当てミステリの佳品。2016/07/27
nightowl
5
下の階に住むカージー氏が部屋を間違えクルック弁護士の部屋の鍵を開けようとしていた。彼の発言の取り留め無さに苛立ちつつ好奇心に駆られ、クルック弁護士はカージー氏の元を訪れる。すると部屋で彼の叔母の印象的な帽子を発見。事件のにおいを感じ、調査を続けることにしたクルック。果たして、誰が何を企んでいるのか?/胃もたれしそうな「薪小屋の秘密」「つきまとう死」の後にはちょうどいい一冊。解説の通り、クルック弁護士の人となりを知る楽しさを堪能した。なお、ひっくり返しの巧みさなら上記二作品なのでそれらから読んでも遅くない。2016/08/10
コカブ
2
1943年発表の、アーサー・クルック弁護士シリーズ。1940年のロンドンがドイツ軍の空襲下にある頃、クルックは自分の住むアパートに、下の階に住むセオドア・カージーが入ろうとしていたところを見つける。部屋が奇妙だというカージーと一緒に彼の部屋に行くと、彼の伯母の帽子だけが置いてあった。翌日にカージーと調査の約束をしたが、カージーは行方不明になってしまう…。/クルックは真相解明に実績があって警察から少し疎まれている弁護士のようだ。裏の世界を知っている助手を何人か使っているため、情報も容易に手に入る。2017/07/17
チェス
1
良きミステリ。じっくりと楽しめた2023/11/13
kanamori
0
☆☆☆2016/08/22