内容説明
春夫の生地・紀州新宮への調査を重ねた著者は、初期の代表作「愚者の死」と「美しい町」の背景に「大逆事件」=大石誠之助の処刑の翳が色濃く存在することを検証し、春夫文学の本質に迫る!
目次
第1章 大逆事件の衝撃(「愚者の死」をめぐる諸問題;新宮中学校停学処分と精神的危機―「若き鷲の子」前後の時代状況 ほか)
第2章 大逆事件後における佐藤春夫の近代批判(「愚者の死」以後;大逆事件の余波と教育制度批判 ほか)
第3章 “美しい町”のユートピア(“美しい町”計画と景観;水辺のユートピア ほか)
第4章 大逆事件の痕跡、ユートピアの母胎(無名時代の佐藤春夫とその周辺;大石七分の病 ほか)
著者等紹介
山中千春[ヤマナカチハル]
1976年、東京都品川区生まれ。日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程修了(芸術学博士)。日本大学芸術学部研究員。専門は、文学・美術(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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