内容説明
十一人の船客を乗せて出航した貨客船…陸上との連絡手段を絶たれた海上の密室で、連続殺人事件の幕が開く。ルーファス・キングが描くサスペンシブルな船上ミステリ。“ヴァルクール警部補”シリーズ第3作、満を持しての完訳刊行!
著者等紹介
キング,ルーファス[キング,ルーファス] [King,Rufus]
1893‐1966。アメリカ、ニューヨーク生まれ。イェール大学卒業後、アメリカ軍に入隊。国境警備や砲兵として従軍する。第一次世界大戦後に除隊し、貨物船の無線技師など、海上職に就く。その後、短編小説の執筆を経て、1924年に初めてのミステリ短編“Battling Beaucaire”を発表。以降、精力的に長編ミステリを書き続けた
熊井ひろ美[クマイヒロミ]
東京外国語大学英米語学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥栄司@がんサバイバー
17
船で唯一の無線技士が殺され、連絡手段が奪われたなかでNYで起こった殺人事件と船上の殺人事件の犯人探し。さらには第二の殺人も起き、とサスペンスフルなプロットで読者を魅了している。閉鎖空間で特定人数に絞り込んで展開していくヴァルクール警部補との駆け引きが読みどころでもあり、犯人視点の殺人シーンの挿入で、読者の興味を継続させることで面白さが増している。しかし、ミステリ視点として、伏線の張り方が大雑把だったり、トリックの解明が中途半端だったりと丁寧さを欠いたせいで、解決が少々おざなりとなっているのが残念ではある。2016/06/08
cinos
7
最後に明らかになる事実に驚きました。2016/12/02
やっす
6
貸客船内での連続殺人という筋立ては面白いし、探偵役のヴァルクール警部補の造形も良いと思うが、いかんせんミステリ部分が弱い。事件発生後の船内の緊迫感みたいなものはなかなか上手く表現されているだけに、解決部のおざなり感が尚更残念に思えてくる。解決までは楽しく読めたのになぁ、何かもったいない。残念ながら『不変の神の事件』の出来映えには及びませんでした。とは言え、ヴァルクール警部補自体は結構気に入ってるんで、これに懲りずにシリーズからもう何作か訳して欲しいですね。『Murder by the Clock』とか。2016/05/01
ちゅう
5
バミューダからカナダのハリファックスに向かう、豪華ではない古びた客船イースタンベイ号。ニューヨークで起きた殺人事件の犯人が乗り込んだかもしれないと、ヴァルクール警部も乗り込むが、無線通信士が殺される。彼以外、無線が出来る者がいないため、船外との連絡が取れなくなる。警部は、船内にいる犯人を探す。ほぼ、話を聞いて回るだけで、犯人を探り当てる警部はすごい。前半は面白さを感じなかった。2020/10/30
shiaruvy
4
【2016.03.30 初版】 なかなかのもんでした。 やるなぁ~論創海外ミステリ! 2017/08/13