内容説明
稀代の“極悪人”によって語られる犯罪の軌跡!いかにして完全犯罪は成し遂げられたのか。フィルポッツの未訳長編、待望の邦訳!
著者等紹介
フィルポッツ,イーデン[フィルポッツ,イーデン] [Phillpotts,Eden]
1862‐1960。別名ハリトン・ヘクスト。旧英国領インド、マウントアブー生まれ。英国で教育を受け、17歳で保険会社に就職。事務員として働きながら演劇学校へ通い、舞台俳優を志すも叶わず、代わって創作活動を始め、雑誌編集者を経て専業作家となった。その後、デヴォンシャーに移住し、ダートムア地方を舞台にした田園小説で人気を博して文壇の大家となり、晩年まで多方面にわたって旺盛な創作活動を続けた。探偵小説にも早くから意欲を示し、「クイーンの定員」に選出された作品もある
熊木信太郎[クマキシンタロウ]
北海道大学経済学部卒業。都市銀行、出版社勤務を経て、現在は翻訳者。出版業にも従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maja
18
テンプル=フォーチュン準男爵家三男アーウィン医師の行った犯罪の回想。単調に続く彼の独白にあまり乗れないまま読了。 2024/08/19
周到&執拗
16
いや参った。やはりフィルポッツは凄い。『赤毛のレドメイン家』ほどの超傑作ではもちろんないが、黄金期巨匠の名に恥じない小傑作。スタイルはいわゆる倒叙ものである。まず完全犯罪の遂行が描かれ、のちにそれを打ち破る推理が述べられる。ただしこの作品の場合、犯人を絞り込む“探偵役”がとても意外な人物だ。警部、私立探偵、署長…次々現れる探偵役候補。真の幕引き役は誰か? 言うところのプロバビリティーの犯罪(未必の故意)を、卑怯な間接手段ではなく極悪な操り手段と捉えているあたりも見どころで、まさに極悪人の肖像である。2016/04/06
tokyo-zodiac
5
準男爵家の三男アーウィン医師は、兄たちと犯罪小説談義に講じる中、二人を死に追いやるアイデアが閃く。まず長男ハリーが溺愛する息子と乳母を通り魔的犯行に見せかけて殺害すると、思惑通り兄は自我が崩壊しやがて自滅した。続く次男ニコルには不治の病にかかっていると偽り…乱歩が倒叙あるいはプロバビリティの犯罪もの的ニュアンスで紹介したことから名のみ知られた長編の本邦初訳。確かにそれらの要素は含まれているものの、幼児と乳母、そしてもう一つの殺人はある意味結果オーライなだけで、倒叙と呼ぶより犯罪者のモノローグといった趣き。2016/06/03
shiaruvy
4
【2016.02.29 初版】 フィルポッツ先生は上手い且つ凄い... 2017/08/13
ケロたん
1
フィルポッツが読めるのが嬉しい。けど読みにくい。2016/05/23
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