内容説明
スコットランドヤードのウィルソン警視が検証を重ね事件の謎に迫る。「クイーンの定員」に選ばれた傑作短編集88年の時を経て遂に完訳!
著者等紹介
板垣節子[イタガキセツコ]
北海道札幌市生まれ。インターカレッジ札幌にて翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Betty
28
長編の間に短編を挟むのが好きです☆表題になっているウィルソン警視を主人公にした作品。英国ミステリ。派手さはありませんが読みやすく就寝前に読むにはぴったりな作品集でした。2017/02/19
やっす
6
真相の意外性や際立ったロジックなどはあまり見られず、結末に至るまでのウィルソンの堅実な捜査の過程を描く事に力点が置かれている印象です。その意味では、『電話室にて』と『ウィルソン警視の休日』、『消えた準男爵』あたりが収録作中のベスト。ただ、クイーンやカーなどの作品と比べると物足りなさが残る。どちらかと言えばホームズ物に近い感じで、手がかりの呈示の部分が弱いのがその要因かもしれません。現代の新本格を読みなれた読者からすれば古臭く感じられてしまう可能性も否めない。これは読む人を選びそうな作品ですね。2016/05/08
飛鳥栄司@がんサバイバー
5
短編らしからぬ作品が多い印象を受けた。事件解決までの性急さは見られず、ウィルソン警視(収録の半分くらいは引退して私立探偵だけど)が愚直に捜査を進めていく。いずれの作品も長編にするには派手さはないが、短編ではもうちょっと読みたいといった内容だけに、なかなか充実した作品が集まっている。「ウィルソンの休日」と「キャムデン・タウンの火事」はミステリの水準も高く読み応えがあり満足できる。その他の作品も完成度が高いので、是非一読をお薦めする。古臭さを感じるかもしれないが、短編だし許容範囲内で問題ないと思う。2016/09/15
tokyo-zodiac
3
<クイーンの定員>の1つ♪ウィルソンがアノ事件を境に、現職警視時代に扱った事件と辞職後に探偵を開業してからの事件が半々といった内容。冒頭の「電話室にて」は乱歩編『世界短編傑作集2』に「窓のふくろう」の題でも訳された代表作。けっこうトンデモなトリックだが、伏線をキレイに回収している。「ウィルソンの休日」「キャムデン・タウンの火事」「消えた準男爵」もそこそこ水準が高い。かと思うと「ボーデンの強盗」のような、読者が知り得ない警察だけが握っている情報がそのまま真相に直結したりする作品もあったりする(^ー^;A2016/07/11
カーゾン
2
M:玉石混淆の短編集だと思うけど中では「ウィルソンの休日」「消えた准男爵」がプロットがしっかりして良く出来た作品だと感じました。2020/07/12