内容説明
ラリーに出走した一台の車が不慮の事故を遂げ、プリーストリー博士が、調査に乗りだした。探偵小説の黄金時代を味わう。
著者等紹介
ロード,ジョン[ロード,ジョン] [Rhode,John]
1884‐1964。本名セシル・ジョン・チャールズ・ストリート。別名義にマイルス・バートン、セシル・ウェイなど。ジブラタル生まれ。第一次大戦時にイギリス陸軍に従軍。1924年、A.S.F:The Story of a Great Conspiracyで作家としてデビュー。ミステリ作家としてはジョン・ロード名義で、プリーストリー博士物、マイルス・バートン名義で、デズモンド・メリオン探偵物を、シリーズとして発表。ミステリー作家の親睦団体“ディテクション・クラブ”設立の中心メンバーとしても活躍し、39年にDetection medleyというアンソロジーを編纂している
熊木信太郎[クマキシンタロウ]
北海道大学経済学部卒業。都市銀行、出版社勤務を経て、現在は翻訳者。出版業にも従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥栄司@がんサバイバー
17
ラリーレース中の事故は、故意なのか本当に事故なのか。とっかかりは意外にも自動車の盗難事件からで、そこから事故か殺人かの議論へと展開する自然な流れは、作者のテクニックの上手さだと思う。意外な犯人へ着地するまでの手法については、少しお粗末な感じを受ける。だけど作中でハンスリット警視がプリーストリー博士に「それはずるい」(というニュアンス)と言わせていることから、作者もある程度謎解きの甘さを認識していたのかもしれない。ページ数も多くないこともあり、サクッと読めるお手軽な気持ちで読むのがいいと思う。2015/12/20
やっす
6
『見えない凶器』を読んで感心して以来、無条件で収集しているジョン・ロード。今回も喜び勇んで購入、読破しました。結論から言えば今回はちょっと残念な出来栄えだった。事件に膨らみがなく、延々と地道な調査が続くだけで、真相もさほど驚く程のものではない。それに決定的とも言える手がかりが明示されていないのも大きな減点材料。自分はジョン・ロードのファンなのでまだ許容できますが、何も知らないで読んだ方はただ退屈を覚えるだけで終わってしまう可能性も。ファン以外にはおすすめしにくい作品ですね。2015/11/12
チェス
1
レトロな雰囲気。楽しめた2023/11/09
kanamori
0
☆☆★2015/12/07
セレイア
0
プリーストリー博士もの初期長編作品。初めてのロードだったが、文章も読みやすく、定期的に博士が情報の整理&検討をしてくれる親切設計。犯人の意外性やそこに至るまでの過程については解説者がいうようにそこまでアンフェアかな?という感想。真犯人を指し示す手掛かりは早い段階で提示されていたし、それがこの先肝になるであろうことも想像がつく。個人的にはうまくカモフラージュされていたように思う。博士に協力を求められて嬉々として応じるハロルドの友人達がとにかく楽しそう(笑)他の作品にも出ているようなので少しずつ読み進めたい。2020/05/30