目次
1 セルバンテスとともに(ドン・キホーテの日々―大人のお伽噺を生きて;名作は読めば読むほど味が出る;“背教者”セルバンテス ほか)
2 『ドン・キホーテ』「後篇」によせて(『ドン・キホーテ』「後篇」におけるドゥルシネーア;『ドン・キホーテ』「後篇」における四つの大事件;「モンテシーノス洞窟の冒険挿話」に係る考察 ほか)
3 様々な接近をめぐって(『ドン・キホーテ』「後篇」のことわざにみる人物、地名;ドン・キホーテのアラビア語指南;自由人を夢見て)
著者等紹介
坂東省次[バンドウショウジ]
1947年、兵庫県生まれ。京都外国語大学スペイン語学科教授
山崎信三[ヤマザキシンゾウ]
1943年、富山県生まれ。元立命館大学経営学部教授。元スペイン労働省中央労働災害防止協会翻訳室翻訳員
片倉充造[カタクラジュウゾウ]
大阪生まれ。天理大学国際学部外国語学科スペイン語・ブラジルポルトガル語専攻主任・教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
35
出版400周年を記念した、多くの研究者を中心とした一般向けのエッセイ集です。①テクスト解釈は少なく、②作品の背景と③日本における受容史、➃読者の背景を知ることができます。③については、ちょうど『ドン・キホーテ』が日本で紹介された当時には、末法思想のような世紀末(1900年)に若者の自殺者が急増している状況があり、100年前に重訳した雄島濱太郎が『ドン・キホーテ』の「滑稽趣味」に救済策を見出そうとしていたことが紹介されています。また、別の文章では、オルテガが当時のスペインにおける時代の病を『ドン・キホーテ』2019/01/19
okimine_yuiki
0
私にとってハムレットが何故だか好きになれない理由が全部書いてあった。スペイン帝国の血の純潔令って恐ろし過ぎでしょ。学問や技術も抑圧してくるし、帝国としての旨味は植民地支配のあがりくらい。それですら上位層に限られる。散々だ。狂気の騎士ドン・キホーテの女性観が地に足がついているのも、狂気には二種類あったから。アマデウスのように孤独に狂うか、オルランドのように周囲を巻き添えにするか。少数派の狂気こそが正気なのだ。後世ツルゲーネフが「ハムレットとドン・キホーテ」でドン・キホーテを持ち上げてくれたのは心強い。2023/10/11