内容説明
先人の評論・研究を読み尽くした著者による21世紀のミステリ評論。膨大な読書量と知識を縦横無尽に駆使し、古典的名作から今なお読み継がれる傑作の数々を新たな視点から考察する!
目次
あったはずのサスペンス アガサ・クリスティ『アクロイド殺し』
角川文庫版『獄門島』への疑問 横溝正史『獄門島』
逆説的な非現実感の背後にあるもの G・K・チェスタトン『ブラウン神父の童心』
帝国主義大盛り上がりのただなかで モーリス・ルブラン『813』『続813』
怪しさが積み重なってはいくけれど… ジョエル・タウンズリー・ロジャース『赤い右手』
神の灯の下、合理を求める エラリイ・クイーン「神の灯」
刑事と犯人の対決が孕んでいるもの 土屋隆夫『危険な童話』
ミステリの初心を忘れた時代に生きる読者のために シャーロツト・アームストロング『毒薬の小壜』
移動がもたらすもの 中薗英助『密航定期便』
逸品揃いのアンソロジー エラリイ・クイーン編『黄金の13/現代篇』〔ほか〕
著者等紹介
小森収[コモリオサム]
1958年福岡県門司市(現・北九州市)生まれ。書籍編集者。作家。その他出版関連業務一般下請け(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
16
「短篇ミステリの二百年」に収録されていた評論が面白かったので、単著にも手を出してみました。古今東西の有名ミステリを取り上げたもので、ひとつひとつの紹介文はコンパクトで読みやすく、既読のものは読みどころを押さえた文であることが分かりました。良い読書案内として紹介されたものを色々読んでいこうと思います。2022/04/16
ハスゴン
8
この人の書評はたまに読みにくい事もありますが、冊子のコーナーなので、どれも短くまとまっていて読みやすいし、古書を探して読んでみたい気がします。 ただし、とてもマイナーな出版社なので、探すのに一苦労でした。2015/09/10
SEI
3
評論家小森収が「本の窓」に連載したミステリ評論を主に纏めたもの。ミステリ評論といえども扱われているのは広義のそれであり、中でも著者は自覚的にスパイ小説に多くを費やし、作者の選定にも偏りがある。それらはある意味で斬新な体験である。しかし本書はミステリガイドブックとして読むには向かないだろう。 前記の偏りもその一因だが、何分一つ一つが短いので、評論として心に残らない。個々で鋭いことを言っていても、全体として見えてこないと言おうか。 そういう類いの本だと思えば楽しめるだろうが、私には合わなかった。 2017/09/11
kanamori
0
☆☆☆2015/09/21
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