内容説明
米国の鬼才C・デイリー・キングが奏でる死の狂想曲。ABC三部作第一弾遂に始動!孤島の音楽会で次々と謎の中毒死を遂げる招待客。マイケル・ロード警部が事件に挑む。
著者等紹介
キング,C.デイリー[キング,C.デイリー] [King,C.Daly]
1895‐1963。アメリカ、ニューヨーク生まれ。心理学の研究に従事しコロンビア大学で修士号、イエール大学で博士号を取得。1932年、長編『海のオベリスト』を刊行し作家としてデビュー。“手がかり索引”の趣向を初めて導入した作家としてミステリ史に名を残す
白須清美[シラスキヨミ]
1969年山梨県生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムチ
52
2015年間の当作、その後が続いていないのが分かるような出来。死の狂想曲は奏でられても、読み手は乗れず。変奏、スケルツォ、ロンドと終章まで行っても?ラストに筆者のコメントが入っているが「科学・物理・音楽の粋を凝らした展開とはとても思えなかった。殺害方法の論理的実証あるんだろうか(あっても殺人方法だから 知りたくないけど)オベリスト3部作に続くABCのシリーズ物。海外では人気出たのか、不思議。巻末解説でクリスティ作品群と比較しているけれど、彼女作品の読後に感じる滑らかな納得には程遠かった。2023/04/06
飛鳥栄司@がんサバイバー
18
ABC3部作が待望の翻訳。先の3部作で主役だったロード警部とポンズ博士は健在。音楽関係者が孤島に集められた封鎖区域で起こる不可解な連続毒物中毒死。まず本作のトリックは読者へベクトルが向いていない特殊技巧である。最終章「最後のメモ」で作者が言い訳めいた感じの一文があり、本作はハウダニットではないと暗に宣言しいている。「手がかりの索引」がバッサリなくなってしまって、本格好きには少し残念だが、フーダニットの水準の高さは先の3部作から全然劣っていない。海外古典本格好きな読者に是非お薦めしたい作品である。2015/04/25
cinos
13
孤島の音楽会で次々と謎の中毒死を遂げる招待客という帯で『そして誰もいなくなった』的な話を期待しましたが、ちょっと違いました。殺人トリックがちょっとモヤモヤしました。2018/05/31
やっす
5
待ちに待ったキングのABCシリーズ邦訳第一弾。前評判でトリックがちょっと・・という声が多数あった為そこの部分にはあまり期待せずに読みました。確かにトリックそのものは評価に困る様な代物でしたが、それを論証していく過程が丁寧で興味深く、言われているほど残念には感じませんでしたね。見取図なんかもあって雰囲気満点だし、どんでん返しもあったりして結構楽しく読めました。解説で『満開の花を咲かせることに』なったと言われている次作にも期待します。2015/05/18
mercury
4
ハドソン川の島に建つケアレス城と呼ばれる邸宅で起こる不可解な殺人事件。主要な登場人物は億万長者の主、上海から来たその弟、招待客の音楽関係者、シリーズレギュラーの心理学者と警察官。1937年の作品でなんとなく古くさいところがいい。億万長者の弟によると民主主義は間違っている、中国は税金も安くてお金の使いどころを心得ている。アメリカは賄賂が横行し無能な政治家に牛耳られているそうだ!?2015/09/17