著者等紹介
中里介山[ナカザトカイザン]
明治18(1885)年、神奈川県西多摩郡羽村(現、東京都羽村市)生まれ。13歳で上京し、電話交換手、小学校教員となり、平民社周辺の社会主義運動に参加。その後、社会主義を離れ、明治39年に都新聞社(現在の東京新聞社)に入社する。明治42年に初の新聞連載小説を執筆し、未完の大作となる「大菩薩峠」は大正2(1913)年より連載を開始。都新聞での連載終了後は、東京近郊に居を構えて、大阪毎日新聞(東京日日新聞)、国民新聞、読売新聞、介山が出版する雑誌『隣人之友』などに書き継いだが、昭和19(1944)年に腸チフスにより逝去。享年59歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みつ
19
視力は失われているにもかかわらず辻斬りを繰り返す机竜之介。少女時代に顔に火傷を負ったお銀様が彼に近づく。お君は能登守に取り立てられ華やかな生活を送り始めるが、被差別部落出身であることを能登守と対立する旗本神尾主膳から公の場で暴かれ、窮地に。水平社宣言が出るのは、この連載の数年後。米友と与八の出会い、慢心和尚の登場など、どの人物もはっきり書き分けられているため、方向性は相変わらず見えなくとも、彼らが動き回るだけで物語は精彩を帯びる。お松は若侍に変装し甲府を出ようとする。危機の彼女を救う謎の人物は?で次巻へ。2023/04/22
きょちょ
14
この巻も「大菩薩峠第五篇」。 甲府~大菩薩峠。 甲府御支配と彼の寵愛を受けるお君。身分の差を、悪役神尾主膳から暴露されての成れの果て・・・。失明している龍之助だからこそ自然に付き合ってくれることで彼に恋をしてしまう、醜女のお銀様・・・。物悲しい話・・・。牢破りをし、兵馬を助ける謎の志士の正体は?久しぶりに登場の与八と米友の出会い。途中から一気に物語が動く。 けれども、圧巻は龍之助が何故人を斬るのか、その理由や言い分! 唖然・・・。 決して善人ではないが、最後まで追いかけていきたい主人公である。 ★★★★2016/03/01
あけの
5
お銀さまにお君にお松 それぞれの想いはどうなっちゃうのやら ドキドキの恋愛小説じみた巻2021/04/06
あきひと
2
お松、お君、兵馬、龍之介の甲府での生活が、牢破りと神尾主膳の策略によって、一気に動き出す。他にも米友と与八のコンビ結成や、恵林寺の慢心和尚、謎の侍南條がどう絡んでくるのか、といったところでお終い。相変わらずすれ違いばかりなのだが、慢心和尚の説教が兵馬の復讐心に影響を与えるのか、次巻が楽しみ。舞台は再び江戸に移りそう。2023/04/03
訪問者
2
駒井能登守が神尾主膳により失脚され、兵馬、お君、お松が前面に出てきた。2016/12/09