内容説明
フランスの多様性と単一性、歴史を見る眼を開いてくれる大著。本邦初訳!
目次
第1篇 空間と歴史(フランスは多様性を自認する(はじめに描写ありき;多様なものをできるだけ説明すること;距離の多様性)
人々の集合体(村・町・都市)(村(village)
町(bourg)
都市(villes))
フランスは地理学の所産か?(“フランス地峡l’isthme fran〓ais”の役割;イル=ド=フランスとパリ盆地;本質的試練―国境;測深法の有効性))
著者等紹介
ブローデル,フェルナン[ブローデル,フェルナン] [Braudel,Fernand]
1902年、フランス北東部ロレーヌ州の小さな農村に生まれる。フランスのパリ大学卒業後、アルジェリアのリセ教師を皮切りにパリ大学、またブラジルのサン・パウロ大学で教える。1946年、『アナール』誌編集委員となり、のち編集長。1949年よりコレージュ・ド・フランス教授を務めた。1984年、アカデミー・フランセーズ会員。1985年、フランス南東部のサヴォワにて死去
桐村泰次[キリムラヤスジ]
1938年、京都府福知山市生まれ。1960年、東京大学文学部卒(社会学科)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
4
『地中海』『物質文明・経済・資本主義』の2つの大作をへて、著者の遺著となる本シリーズは、フランスの国家形成を地理空間の歴史として捉える。この形成は多様性と統一性という2概念は外との関係によって動き始める。権力側から描かれた従来の歴史では外との関係も一国の外交の歴史として切り取られるのに対し、本書は「世界の歴史」からフランスを捉えて行く。とはいえ「世界」とは他の国々ではない。気象や地勢と共に長期的に変動する生態である。多様性の最小単位である村は森という外との関係と共に人との交通を作り、町なるシステムを作る。2020/06/14