内容説明
イェール大学での長年の講義をもとに、現代演劇を代表する8人の革新的劇作家―ビューヒナー、イプセン、ストリンドベリ、チェーホフ、ピランデルロ、ブレヒト、ベケット、ハントケの人と作品について詳述する。近現代劇研究者や愛好者、演劇関係者に長く待たれていた名著、待望の邦訳。
目次
ビューヒナー
イプセン
ストリンドベリ
チェーホフ
ピランデッロ
ブレヒト
ベケット
ハントケ
著者等紹介
ギルマン,リチャード[ギルマン,リチャード] [Gilman,Richard]
1923年、ニューヨーク生まれ。イェール大学名誉教授。第二次世界大戦直後からフリーランスで執筆を開始し、CommonwealやNewsweekの演劇欄・文芸欄で編集及び執筆を担当。1967年から1998年までイェール大学演劇学部教授。ペン・アメリカン・センター会長(1981年~1983年)。2006年、日本にて没
塩尻恭子[シオジリヤスコ]
1941年生まれ。同志社大学名誉教授。同志社大学文学部英文学科卒。同大学院及びUniversity of RochesterにてM.A.取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mstr_kk
6
現代劇を作った革新的な劇作家たち(ビューヒナー、イプセン、ストリンドベリ、チェーホフ、ピランデルロ、ブレヒト、ベケット、ハントケ)ひとりひとりについて、その創作の核心をさぐっていく大著です。それぞれの論がとても本質的なものになっていて、読みごたえがありましたし、勉強になりました。訳もわかりやすく、ありがたかったです。しかし、一点だけこの著者のクセとして気になったのは、対象を最も評価する場面になると、必ず「個別の社会的状況や個人的な特殊性を超え、普遍的な存在論的次元に届いているのだ」という論法になること。2016/11/26
ソノダケン
0
小説から転向した劇作家は多い。いったん演劇で成功をおさめると、フィクションにはもどれない。人は抽象性より身体性を好む。ストリンドベリ、ピランデッロ、ベケットなどもそう。『ゴドーを待ちながら』は即時的現前のドラマであり、「信念」でなく「存在」をえがいた。『勝負の終わり』では生死すら、儀式的で慣習的なものとして廃棄した。2014/11/24