著者等紹介
マクドナルド,フィリップ[マクドナルド,フィリップ] [MacDonald,Philip]
1899‐1981。別名義にオリヴァー・フレミング、アンソニー・ロウレス。英国ロンドン生まれ。祖父は英国幻想文学の作家として知られるジョージ・マクドナルド。1924年に『鑢』でミステリ作家としてデビュー。以後、設定や構成に趣向を凝らしたサスペンスフルな作品を数多く発表していった。31年、ハリウッドへ渡り映画関係の仕事に就き、シナリオライターとして成功を収める。53年に作品集Something to Hideが、56年には「夢見るなかれ」が、それぞれアメリカ探偵作家クラブの最優秀短編賞を受賞した
鈴木景子[スズキケイコ]
インターカレッジ札幌で翻訳を学ぶ。同社の第8回翻訳コンクール(2011年度)にて、『Riding the Phoenix』で最優秀者に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayah Book
8
タイトルが凄いイギリスミステリ。「ブッチャー」と名乗る殺人鬼が、平和な街でどんどん人を殺してゆく。滑り出しは悪くないのだが、タイトルに比べると残念ながら内容は普通。ラストでポッと出の人が活躍とか。。。あと登場人物紹介はちょっとネタバレじゃないかなぁ。2020/02/18
飛鳥栄司@がんサバイバー
7
なにせ防御率が低い。これでけ犯人に好き勝手させておく探偵役は、東西を見回して、私が知る限り1名だけ。あえて誰とは言わないけど。というわけで終盤までスリリングな展開で話が進んで行くのだが、防御率の低さでなんとか保っている緊張感がイマイチ緩いし、容疑者を絞り込む方法もご都合的で説得力が弱い。終盤は犯人との対決を無理やり取ってつけた感じで終わっているので、WhoもWhyもHowもなにもなく蓋を開けても空っぽな読後感しか味わえなかった。マクドナルドの作品としてはあまり出来の良い作品ではないので、お薦めはしない。2014/05/21
Dr.strangelove
4
魅力的なキャラクターであるパイク警視の登場から、俄然面白くなった。影さえも掴めない不気味な連続殺人犯に対して、「良い事思いついた!」的なアナログな策で容疑者を絞っていく様子が楽しい。彼の冷徹な言動も痛快で、番外編なのが残念。解決篇は少し読み足りない感じも受けたが、最後までハラハラさせられた。タイトルから想像する様な猟奇性だけでなく、味わいある良きミステリだった。2015/03/13
Meg Mog
3
現代の科学捜査のない時代の連続無差別殺人。まんまと作者の誘導に引っかかったので、まさかの真犯人と凶器にビックリ。でもアレで終わり?動機ないの?英国の雰囲気は良かった。装丁がオシャレ。霧って咳が出るんだね👀2020/11/19
tokyo-zodiac
2
田園都市ホームデイルに激震が走る!幼い少年を皮切りに、複数の男女をナイフで血祭りに上げる殺人鬼が跳梁跋扈!しかも自ら”ザ・ブッチャー”と名乗っての犯行声明を・・・P・マクドナルド、久々の邦訳本はノン・シリーズ。ロンドン警視庁のパイク警視がいかに不特定多数の住人の中から、殺人鬼を絞り込んでいくかが見どころと云える。ただその手法は、本格というよりも警察小説のソレに近い。たしかに真相は意外で、犯人がわかってから再び登場シーンを読み返すと、意味深に取れる記述も見受けられるが、伏線としては弱いことが惜しまれる。2014/06/05
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