内容説明
中世は現在も私たちの世界の中に厳然と息づいている。その物質的・精神的遺産は厖大であるが、しばしば型にはめられたイメージによって歪められ、その真実は覆い隠されている。本書は、メロヴィング時代からルネサンス時代にいたる政治的ヨーロッパが作り出した事件・出来事を語るものではなく、「中世の人」というものを、その物心両面にわたる環境の中で、日々の生活の中で、そして信仰と慣習の中で、発見し理解しようとする人々のために書かれたものである。
目次
第1章 人間と環境
第2章 精神構造と社会生活
第3章 働く人々―農民
第4章 戦う人々―騎士たち
第5章 祈る人々―僧たち
第6章 都市の世界―商人・職人・ブルジョワ
著者等紹介
ドロール,ロベール[ドロール,ロベール] [Delort,Robert]
1932年アジャン生まれ。エコール・ノルマル・シュペリウール(高等師範)を卒業し、パリ第8大学・ジュネーヴ大学名誉教授。文学博士・理学士。毛皮など中世ヨーロッパの交易の歴史から出発して、自然環境の変化などを含めた歴史の変動を探求している
桐村泰次[キリムラヤスジ]
1938年、京都府福知山市生まれ。1960年、東京大学文学部卒(社会学科)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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塩崎ツトム
22
時代も地理も宗教も言語も違う人々が何を考えていたのかを想像するのは難しい。しかしながら、中世欧州の人々は多少なりともテクストや、何より子孫の人々を現代に残してくれているのだから、少なくともネイティブアメリカンの方々よりは楽である。で、かの時代は、人々の天地は短く、平均寿命も短く、識字率も低く、つまりみな、太くて短い蝋燭みたいな人生だったのである。若さは老いの黄昏を迎える前に死ぬ。子供もすぐに死ぬので、家系が断絶するのも頻繁だ。緩慢な進歩の時代だったが、人生は今以上に光陰矢の如し、だったろう!2025/09/08
かりあ
6
ようやく読了!見た目はいかついけど入門書としては完璧なのでは?面白かったー!https://www.kariabookdiary.jp/entry/2019/03/23/1612432019/03/23
かりあ
5
とりあえず半分読んだ!面白い! https://www.kariabookdiary.jp/entry/2018/07/06/1220532018/07/06
人生ゴルディアス
4
似たようなタイトルの本が多い。あと、本書はいわゆる学術書ではなく歴史読み物に近いので、知ってる分野についてはちょっと物足りなさがある。代わりに読みやすくはある。あと、中世を美化しすぎのような? また中世ヨーロッパと書いてあるがメインはフランスです。全体的におさらいになった感じ。2018/09/05
Go Extreme
1
人間活動 環境変化 農業発展 森林伐採 都市化 社会経済変化 中世ヨーロッパ 開墾 土壌改良 湿地排水 穀物栽培 人口増加 木材伐採 農業技術 ペスト 森林復活 植物多様性 生態系変化 河川改修 水資源管理 干拓事業 農民生活 食生活 修道院 食料供給 精神構造 家族構造 キリスト教 信仰生活 ギルド 商業活動 職人 社会階層 封建制度 貴族 農民 騎士階級 戦争戦術 騎士道 宗教活動 教育機関 医療 修道士 政治的影響 都市形成 市場経済 ブルジョワ 経済発展 社会変革 文化的影響2025/02/13
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