内容説明
三島由紀夫や澁澤龍彦が愛読した雑誌の全て。廃刊後の今なお熱狂的なファンをもつ雑誌の全貌が、一投稿作家から『裏窓』編集長になった著者によって初めて語られる。遺著として残されたアブノーマル雑誌出版史。伝説的雑誌の舞台裏が明らかに!!
目次
前口上
河出文庫の経緯
緊縛美研究会
『奇譚クラブ』と『裏窓』
カメラマンとモデルたち
近代出版史、伊藤晴雨、伊藤竹酔
倶楽部雑誌
晴雨ルネサンス
カストリ雑誌
『奇譚クラブ』創刊、吉田稔、須磨利之〔ほか〕
著者等紹介
飯田豊一[イイダトヨカズ]
1930年東京生まれ。デザイナーを経て編集者となり、61年に久保書店へ入社。『裏窓』編集長と『サスペンスマガジン』編集長を歴任後、69年に独立してからはマルチクリエーターとして活躍の場を広げる。2007年に「天狗のいたずら」(田端六六名義)で第5回北区内田康夫ミステリー文学賞を受賞。2013年9月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
24
戦後、一部の趣味人向けに発刊され、三島由紀夫などの著名人も愛読した雑誌「奇譚クラブ」「裏窓」の編集に携わった飯田豊一氏へのインタビュー。当時の執筆陣の氏名はおろか、作品内容や人となりまですらすらと答える。既に八十を超えた氏に記憶の衰えは見られない。同誌を発禁処分した当局への怒りも、その記憶の一部。そんな氏も本書発刊を目の前にし逝去。間に合ったという感あり。2022/09/04
Gen Kato
2
「エロを売り物にしている雑誌であっても、上からの目線で変態に擬せられる人間を侮蔑し、嘲笑するニュアンスが必ず含まれていた。(中略)そうした編集の根底にあるのは変態性愛者たちに対する好奇心と優越感だけだ。マニアと同じ位置に立ち、手をさしのべ、味方になることを誌面に示している雑誌は皆無だった」…かつて雑誌が売れていた時代のあだ花、『奇譚クラブ』と『裏窓』の寄稿者にして編集者である著者の証言。雑誌に生き延びる道があるとすれば「同じ位置に立つ」ということが何より必要なのかもしれないな…2014/01/06
tkm66
1
色んな意味でギラギラしてますわな。2019/11/17
poefan
1
当然のように「SFマガジン」と「ミステリマガジン」の名前が出てくる。聞かないと表に出てこない面白い事実が多数。2015/04/09
勉誠出版営業部
1
飯田豊一さんの『『奇譚クラブ』から『裏窓』へ』を読了。「出版人に聞く」シリーズということで、対談をまとめたもの。耽美本(ザックリ言うとエロ本)から見た出版史。あまりにも濃すぎて、後半まで至らなかったのが至極残念ではあるけど、出版史の一側面が垣間見れることはかなり貴重。出てくる参考文献も要一読か。2014/09/26