内容説明
巧妙なトリックと鮮烈なロジック。ブラックバーン教授、連続猟奇殺人に挑む。
著者等紹介
アフォード,マックス[アフォード,マックス] [Afford,Max]
1906‐1954。本名マルコム・R.アフォード。オーストラリア、南オーストラリア州アデレード生まれ。ジャーナリストを経て脚本家に転身し、ラジオドラマや舞台劇の台本を数多く手がける。1936年、オーストラリア国営放送ラジオ局の専属ライターとなり、イギリスの出版社から『百年祭の殺人』を刊行。以後は脚本家だけでなく作家としても活躍し、オカルト趣味が濃厚な『魔法人形』(37)や怪盗物のFly by Night(42)などを発表する
定木大介[サダキダイスケ]
1966年東京生まれ。早稲田大学法学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
33
表紙のもじゃもじゃは何だと思います?麗しい黒髪?いえいえ、髭なんですよ。だから、間違っても表紙にスリスリしないで下さいね。本作では髭が小道具なのです。今回はある出来事によって事件解決のきっかけを見つけたブラックバーン教授は 「こうしてけりがついたのは奇跡に等しい。まさに犯罪史上空前の事件だった」というリード首席警部に対して 「絶後であることを切にのぞみます。もう当分犯罪捜査に関わるのは遠慮したい気分ですよ」 と述べる。だが、その希望通りにならないのは事実の通り。好評を得たからシリーズが続いたのだろう。2018/01/26
ボブ
7
メインのトリックは現実には無理でしょう、アンフェアとも言えるでしょう。それ以外は、次々と事件が起こるし、推理も面白いし、大満足です、黄金期にこんな名作が残されていたなんて❗❗2019/01/13
cinos
7
煙草をめぐる推理がなかなか面白いです。後期クイーン問題ってやつ?密室トリックは大したことないですが、そこからの、というのがいいです。最後のトリック、わかってしまったんですけど、今となっては…。 2014/04/14
やっす
6
オーストラリア幻の本格派アフォードの第一長篇。暗示的なプロローグ、密室殺人・体の一部を切断された死体・事件現場で目撃される黒髭の男など、本格ファンには堪らない要素がこれでもかと盛り込まれています。探偵コンビによる手掛かりの検証も行われ、途中全く飽きることがない。第三の事件を契機に、クライマックスの犯人指摘・事件の解明へとなだれ込む展開も見事で、プロローグで語られたエピソードが真相に結びつく構成も実に素晴らしい。ある手掛かりの提示が若干アンフェアなのは惜しいが、クラシックミステリ好きにはおすすめの逸品です。2013/07/03
飛鳥栄司@がんサバイバー
6
オーストラリアのJ.D.カーはちょっと言い過ぎかな。 捜査は緻密に進めているし、手掛かりが出揃った時点で振り返りもやっているし、謎解きについてはとても親切で読者に優しい。詰めの部分で精彩を欠いている感じは、ある事柄においてもう少しわかりやすく伏線を置いていれば回避できたと思う。密室トリックは、いともあっさりと解けてしまうことで、カーのような演出には至っていないのが勿体ない。 ちょっとしたことに気がつければ、犯人を当てることは可能なので、ハウダニットにワクワクしながらフーダニットを楽しんで欲しい一作である。2013/07/08