内容説明
キング・コングを、ペキンパー映画を、刑事コロンボを、スター・ウォーズを、“発見”し、語り続ける「石上評論」の原点にして精髄。ヒーローって何だ。エンターテインメントって何だ。「石上評論」of the 1970s。
目次
1 ぼくは駅馬車にのった(たとえばリンゴオ・キッドのように…;磐城座幻想;コングのための鎮魂歌;わが非行の時代;ピーピング・トムが死んだ ほか)
2 私のジャンル、私のメディア(サム・ペキンパーの世界;スパイ映画論;栄光のマイナーAIP;影のビッグ・メン/三人のプロデューサーによって発見された映画的才能の系譜;「劇場未公開」映画から「メイド・フォー・TV」フィルムまで/テレビで長編劇映画を見るための未来論)
3 TVムービ作品事典
巻末付録 年度別BEST10一覧
著者等紹介
石上三登志[イシガミミツトシ]
1939年東京生まれ。明治大学文学部卒業。映画を中心に、ミステリ、SF、マンガ、広告など、幅広い分野で評論家として活躍するかたわら、雑誌「映画宝庫」「FLIX」の責任編集、翻訳、映画脚本なども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kokada_jnet
17
メインである『キネマ旬報」に連載されていた「ぼくは駅馬車にのった」。この時代の石上さん特有の、精神分析的なあてはめが、どうにも気に入らず。ノレなかった。2018/04/18
そら丸
11
500ページを超える本だが、映画愛に満ち溢れた素晴らしい名著。40年ほど前のキネマ旬報に連載していた文章を中心にした本だが全く古さを感じさせず、特に第一部の自分史になぞらえた映画の文章の素晴らしさ。第三部のTVムービーの解説はビデオが無い時代にこれだけのものを書く石上先生に感動した。映画評論のお手本となる本であると思う。★★★★★2012/08/22
いちはじめ
1
3990円と高めだが、映画評論でこのボリュームならむしろお買い得。しかも中身は石上三登志なんだから。資料的価値は第三部「TVムービー作品事典」が圧倒的だが、第一部「ぼくは駅馬車にのった」の自らの映画体験を似たような言い回しを微妙に変えながら語るなどのほとばしる才気にしびれる。2012/01/26