内容説明
大正期の東京下町を舞台にした人情小説の名作12編、待望の復刊。
著者等紹介
川口松太郎[カワグチマツタロウ]
明治32(1899)年、東京浅草生まれ。久保田万太郎、講談師・悟道軒円玉らに師事する。大正12年に小山内薫主宰の雑誌「劇と評論」に戯曲が掲載され、その後、戯曲・台本を数多く発表する。小説でのデビュー作は昭和9年『鶴八鶴次郎』。翌年に同作ほかで第一回直木賞を受賞する。以後、映画化された『愛染かつら』や『しぐれ茶屋おりく』(吉川英治文学賞受賞)、『新吾十番勝負』など、芸道小説、風俗小説、時代小説で活躍。また、映画会社の重役として、映画や演劇の製作にも力を注いだ。昭和40年に芸術院会員、48年に文化功労者。昭和60(1985)年逝去。享年八十五歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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junkty@灯れ松明の火
25
本当の江戸っ子がまだ残っていた大正時代のお話が12編。思っていたより、ず〜っと良かった!想った人の為なら苦労はモチロン、潔く身を退く事もいとわない。計画性に乏しく見栄っ張りだが、粋な江戸っ子達の愛すべき馬鹿さを楽しみながら、最後はホロッときます。この本、オススメです♪2011/04/27
朝吹龍一朗
1
どこかで聞いたような話。昔、といってもほんの20年前、バブルがはじける前の新宿界隈や浅草や川向うならいくらでもあったような話。「でもさ、勉強したさにすし屋の婿もなろうかと思うあんたの気持が可哀想だもの」と。こんな話を書きたいと思った。2010/07/04
mawaji
1
週刊ブックレビューで吉川潮氏ご推薦。初めて耳にした作家でしたが、大正・昭和の人情噺、面白く読みました。2009/11/05
ぱーぷる・ばんぶー
0
大正時代の東京下町。講談師の家の居候する小説家志望の青年が主人公。登場人物は実在の人たちらしい。江戸っ子の人情話12編の連作集。江戸落語みたいで、古臭さは感じなかった。2013/09/08
ステビア
0
素晴らしい。2013/03/27