内容説明
雑誌『技術と人間』のあと、82年「緑風出版」を設立した著者は、NRに加盟、流対協にも参画し、出版業界の抱える問題とラディカルに対峙する。
目次
第1部(前口上;中央経済社に入る ほか)
第2部(公取委の再販見直しと流対協の結成;日米構造協議と要望書 ほか)
第3部(再販制と消費税問題;消費税定価訴訟 ほか)
第4部(グーグル・ショックと図書館プロジェクト;クラス・アクションとベルヌ条約 ほか)
第5部(グーグル・ショックが突きつけた問題;日本版電子図書館 ほか)
著者等紹介
高須次郎[タカスジロウ]
1947年東京都生まれ。1971年早稲田大学卒。中央経済社を経て、仏ディジョン大学に学ぶ。1976年技術と人間に入社、1982年緑風出版創業。出版流通対策協議会会長。一般社団法人日本出版著作権協会(JPCA)代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
38
2009年に世を騒がせたグーグル図書館プロジェクト問題を巡る顛末が詳細に語られている。もともと米国の図書館がやろうとしていたものをパクリ、世界の書籍の著作権を半ば強引に自社のものにしようとしたグーグルのあざとさがよくわかります。IT企業の建前ばかりを見ていると、物事の本質が見抜けなくなる事を教えてくれるよい例。日本政府の弱腰や大手出版社の事なかれ主義も垣間見えます。出版社、取次、書店の三者で成り立つ出版業界の歪んだ構造や問題点もよく分かり、業界志望のシューカツ生には必読書かも。2017/06/08
izw
10
出版クロニクルを出している小田光雄がインタビューする「出版人に聞く」シリーズ第3弾。インタビューというより対談といってよい。インタビューされているのが、主に中小出版社で組織する出版流通対策協議会の会長で、再販問題、グル―グル問題の対応(闘い)について語っていて非常に面白い。消費税が導入された際の価格表示について、内税表示を主張する公取委を訴え、最高裁までいき敗訴はしたが、行政が出す「公表文」は行政処分をよそおっているが法的拘束力も強制力もないことが明確になったという話は興味深い。2014/12/13
poefan
0
面白い、とは不謹慎だが、このシリーズはやはり面白い。シリーズ3はぐっと重い内容。再販制度やグーグルの全世界スキャン問題の核心に迫る。国内問題としても重要なことが結構棚上げされていることに驚きがある。2013/01/26