内容説明
邸宅ヘロン・プレイスの主人が自殺に偽装されて殺害された。犯人はそこに泊まる二人の客。警察は捜査の末、自殺と断定するも、探偵小説好きの女性スーザンが疑問を抱く。完全犯罪と思われた事件の行方は…。不朽の名作『赤い館の秘密』の著者A・A・ミルンによる倒叙ミステリ戯曲。初邦訳を含む短編二編を併録。“シナリオ・コレクション”第三弾として刊行。
著者等紹介
ミルン,A.A.[ミルン,A.A.][Milne,A.A.]
1882~1956。アラン・アレグザンダー・ミルン。ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学卒業後の1903年にシャーロック・ホームズのパロディ「シャーロックの強奪」でデビュー。06年から風刺雑誌「パンチ」の編集に携わる。第一次大戦後は文筆業に専念。戯曲、詩集、エッセイ、小説、童話と多岐に渡って活躍し、26年に代表作『クマのプーさん』を上梓する
青柳伸子[アオヤギノブコ]
青山学院大学文学部英米文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちゃかぱん
3
・「相手がどんな人間かなんてどうしてわかる?」 ・賢者のまずいところはな。じぶんよりおつむの弱い連中をどの程度計算に入れるべきかちっともわかっちゃいないことさ。 (本文より) A.Aミルンが推理小説を出していたこと、しかも金田一耕助のモデルとなった探偵アントニー・ギリガムが登場する「赤い館の秘密」という推理小説まだ書いていて、しかもこり館ものがカントリーハウスもののさきがけとなっていたというトリビアの連続にただただびっくり。 ミルンが探偵ものを書いていたことを教えてくれた喜国雅彦さんの「本棚探偵最後2014/08/04
旭
1
聡明でかわいくて、何より勇気があって。ミルン氏の描くお嬢さんはいいなあ。2012/09/19
三門 優祐
1
思いのほか面白かった。皮肉味は少なめ、おおらかなユーモア感覚。2009/06/25
ネムル
0
戯曲よりも併録された短篇のがおもろい。皮肉もウィットもぼちぼち感。2009/04/20
ichigomonogatari
0
図書館で偶然発見。『紅い館の秘密』を愛読していたものとしてすぐに借りた。推理の過程も面白いが、それ以上に登場人物たちの個性や、そこはかとないユーモアがよかった。戯曲だったので読み始め少しひるんだが、全く問題なく、逆に新鮮で面白かった。2018/09/02