内容説明
「大逆事件」というフレームアップ。―事件をめぐり飛びかう言説によって事実が構築され定着していった。たんなる無罪論を超え、「情報の権力性」という視点から「大逆事件」を創りだした言説空間の構造にせまる労作。
目次
序説 「大逆事件」の言説空間(言説空間と空間規制;不敬罪と不敬事件 ほか)
第1部 佐藤春夫の大逆事件―「憂鬱=倦怠の文学」の誕生(文学史的事象としての大逆事件;「新宮の大逆事件」 ほか)
第2部 事件「大逆」の裾野(日刊「平民新聞」文芸―事件「大逆」への道;右サイドの事件「大逆」小説―池雪蕾著『憂国志談 大逆陰謀の末路』の言説空間 ほか)
第3部 「大逆事件」のニューヨークへの到達(「大逆事件」の発端と新聞報道;Harrisonケーブル記事の波紋と外務省 ほか)
第4部 大逆事件と石川啄木(「大逆事件」初期報道と石川啄木;一九一〇年九月下旬以後の大逆事件報道 ほか)
著者等紹介
山泉進[ヤマイズミススム]
1947年、高知県生まれ。明治大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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