内容説明
異端キリスト教、ドストエフスキー、ティラノサウルス、競馬、人工呼吸。これらに共通するものをアプルビイは見いだせるのか?アプルビイが立ち寄った館で起こる奇怪な事件―館の先代によって書かれた小説が現実のものとなる…マイケル・イネスの未訳傑作、英国流ユーモア怪奇ミステリここに刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
68
アプルビイ警部シリーズ。吹雪の中走る汽車の暗いイメージ、なんだか奇妙によく似た顔の乗客たち、「アプルビイズ・エンド」というアプルビイにとってはかなり不吉な駅名。イネスの文学的妄想とジョークが満載過ぎて、ちょっと冗長すぎて読みにくいのは訳のせいだけでもないか。大仕掛けの割には、あまりぱっとしない結末。アプルビイの結婚にも今一つ納得いかないが、不慮の事故とはいえ妙齢のご婦人とかなり親密な一夜を過ごしてしまったイギリス青年の紳士的態度ということか。2018/10/03
紅はこべ
15
イネスの中ではユーモア感がたっぷり。木の葉を隠すなら森の中系ミステリのパロディ。ラストではのけぞっちゃう。英国の育ちの良いご婦人って怖い。2009/05/22
timeturner
7
アプルビイが妻のジュディスと結婚するきっかけになった作。というかそれしかない。魔女だの予言だの言ってたわりには拍子抜けの謎解きだし、ロマンス描写もなしにいきなり結婚することになってるよ?!2016/05/05
timeturner
5
読書会のために原書と合わせて再読。まあ、確かにあのまわりくどいペダンチックな英文を完全に理解して、なおかつ日本人にわかるように訳すのは至難の業だっただろうなと思った。とはいえ、もうちょっとなんとかしてほしかったけどねえ。2016/10/25
J・P・フリーマン
4
アプルビイ警部が主人公の作品、以前にも読んでいたわ。「霧と雪」って題名の。「霧と雪」と同じでわりとのんびりした雰囲気で捜査が進んでますね。事件の結末もこのゆるさにあったものになっています。しかし、田舎町で起きたいたずら事件にスコットランドヤードの警部が召集されってどういうことなのさ。2016/12/04