内容説明
名門の青年ティモシーは美しきジュリアと愛を育むが、突如として彼女の父親から婚約破棄を通告される。不法侵入の濡れ衣、過去の殺人事件の謎…駆け落ちを決行したふたりを待ち受ける謎の数々。ルーク警視とキャンピオンは、複雑に絡み合う運命の紐を解くことができるのか?過去の犯罪と出生の秘密を、名匠アリンガムが丹念に紡ぎだした長編サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翠埜もぐら
15
アリンガム後期の作品は、ルーク警視物になるのですが、彼にあんな個人的事情があることは初めて知りました。パパだったのね。しかもやもめ。今回もキャンピオン氏は狂言回しで最後の最後にちょっと解説程度でしたが、若い二人の女性の方がしっかり者というのはなかなか気持ちの良いものでした。ロンドンの古き良き景観をぶち壊す新興住宅で起こった破壊行為、自分のルーツ探しに走り回る青年とその恋人。何と言っても強烈だったのは乳母のブルーム夫人。人物描写が面白くて最後もほっこり救いもあって事件そのものはもうどうでもよくなってたなぁ。2023/11/12
紅はこべ
11
ミステリというより、ロマンティックサスペンスの色合いが強い。それにしても英国ってつくづく階級社会だな。2009/05/28
植岡藍
2
アリンガムさんは読みやすいなあー。訳がいいのかな。さくさく読めるサスペンス。焦点が絞りきれてない感はあるけど、いろんなエピソードが絡み合う中盤は面白い。アリンガムの作品を読んできてここまで来ると、名探偵のその先、探偵が一般人になっていくということを描いているようで興味深い。今作のキャンピオン氏は本当にただの一般人なのだ。2017/12/18
J・P・フリーマン
2
ある青年が自分の出自を知るために婚約者のもとから飛び出ていく。最後の方に唐突な殺人事件が起きるが、それまでずっと青年の出自の方に焦点が当たっていたので、なんかしっくりこない。2016/07/05
三門 優祐
1
ようやく読了。正直、全然面白くない。2009/03/17