内容説明
魅惑の、しかし血と因縁にまみれた宝石の数々、ブレイディング・コレクション。射殺死体となって発見された所有者は、自らの運命を予期していた…!?後に残された、忌まわしき遺産に翻弄される人々の前に現れた探偵は、編み物を手にした老婆だった。近年、再評価の声も高まっているウェントワースの“ミス・シルヴァー”シリーズ、論創海外ミステリに登場。
著者等紹介
ウェントワース,パトリシア[ウェントワース,パトリシア][Wentworth,Patricia]
1871~1961。本名ドラ・エイミー・エレス(Dora Amy Elles)、インドに生まれる。1923年、The Astonishing Adventure of Jane Smithでミステリ作家としてデビューするが、それ以前からウェントワース名義でロマンス、歴史小説等を発表していた。28年に刊行されたGrey Maskに登場するミス・シルヴァーは、女性名探偵として支持を受ける。オーソドックスな謎解きものに、登場人物のロマンスを絡めた作風が特徴である
中島なすか[ナカジマナスカ]
津田塾大学国際関係学科卒業。インターカレッジ札幌在籍中。熊本市在住
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感想・レビュー
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bapaksejahtera
11
ブレイディング氏は宝石コレクターだが、その収集品は、犯罪絡みや発掘遺体と共に発見されたような曰く付きの物ばかり。本人も周囲から嫌われる性格である。収集物に脅威が迫っていると感じた彼は、主人公であるミス・マープルに似た、高名な探偵である老女を訪れ調査を依頼する。探偵は応対するうち収集家の言動に嫌悪を覚え、依頼を断るが、その後収集家は殺される。改めて招かれた探偵が地元警察と共に捜査を開始。探偵が地元の州警本部長の家庭教師を昔勤めた縁による。この設定の無理は兎も角、本編は手堅い人物描写と無理のない筋で楽しめた。2024/05/05
カーゾン
9
M:この1作しか邦訳がないので、探偵のシルヴァー老嬢の魅力やミス・マープルとの比較も出来ない。初期の論創海外ミステリは行間が空いているので400頁弱でも短期間で読了。で、一種の”自爆”で犯人が明らかになるので、老嬢が快刀乱麻を断つ如く犯人を指摘するわけではなく、物足りなさが残る。 前半のヒロインは個性強い元女優さんの細密画は完成したのかしらん? 他の作品出ても、この方の著作は手を出さなくても良いと判断します。2024/03/24