著者等紹介
リヒター,ファルク[リヒター,ファルク][Richter,Falk]
1969年、ハンブルク生まれ。演出家、劇作家、翻訳家。2000‐04年にチューリヒ劇場の座付き演出家を務め、ベルリンのシャウビューネでも活躍中。映像や音楽、ダンスを取り込んで即興的に舞台を仕上げていくポップ演劇の手法で、政治のテーマとも取り組む
内藤洋子[ナイトウヨウコ]
栃木県生まれ。明治薬科大学教授。ドイツ現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MaRuTaTSu
3
「トム:ここではどんな音もかき消されて、みな自分が生きてることにすら気づいていない、何も感じない、何も聞こえない、だがおれの脳の中で、何かが爆発する、飛行機の墜落みたいに、おれは堕ちる、堕ちる、緊急警報、気をつけろ、もうだめだ、おれは故障だ、もう何もわからない、空港ターミナルからのシグナルはもうキャッチできない、誰もおれを助けない、誰もおれを着陸滑走路に誘導しない、どこへ向かう?どこへ?シグナルはない、おれにはまるっきり理解不能だ、そもそもこの何もかもが、どう動いているんだ?」(31頁)2018/04/11
Seiren Kohiyama
0
描かれているのは、様々なガジェットやシステムが人と人を繋ぐのではなく、もはやそういったもの同士を媒介するのが人間になっている、そういう世界。メディウム化した人間は否応無しに自分が代謝を続ける情報の集合なのだ、と意識せざるをえない。ホテルのルームナンバーを控え忘れたトム、バーコードリーダーの故障で窮地に立たされるジョイがまさにそうだ。 ところで、ー(セリフ) の部分ってどういう演出がされるのか分からなかったのが惜しい。2013/04/01
南禅寺の小僧
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移動手段の発達とマルチ・メディアによる世界のつながり、経済効率化のための装置と化す政府や人間、そういったグローバリズムの弊害が現実を侵食し、画一化をもたらしている現代社会をカリカチュアライズした戯曲。数字の使用にリフレイン、おまけにそれっぽい名詞の羅列。そういったものが、表面的なかっこよさや勢いを生んでいて、単なるグローバリズム批判に陥っていない。どことなくパラニュークっぽさも感じなくはない。2011/12/16
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- 和書
- 経済学原理 〈2〉