内容説明
舞台は1960年代のニューヨーク。横領事件の調査中に姿を消した相棒を捜索する、隻眼の敏腕探偵スティーブ・クレイン。男と女、優しさと裏切り、追跡と錯綜、果たして友の消息は…?ニヒルなキャラクターと乾いた描写が魅力の、緊迫感あふれるハードボイルド・ミステリ。
著者等紹介
三浦亜紀[ミウラアキ]
1974年生まれ。早稲田大学第一文学部卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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夢追人009
284
論創海外ミステリの2冊目はアメリカのハードボイルド作品で作者は有名ではありませんが中々の実力者で、ど派手なアクションシーンは殆どなくてラストに意外などんでん返しの真相を秘めた大人の男女のソフトボイルドミステリとも言えましょうね。私立探偵クレインは身重の妻を持つ元刑事で、トレードマークの左眼の眼帯は医者の勧めで付けているだけで実質の意味はありません。彼は本当に真面目一本鎗の男で本件はそれ故に招いた悲劇とも言えるでしょうね。まあ全体の雰囲気は決して甘くなく苦く無情ですが、それでも本書は愛のミステリなのですね。2021/09/09
くたくた
47
単行本だけど薄めだし内容も軽めのソフトハードボイルド? 1960年代の作品で主人公は32歳。朝鮮戦争に従軍し左目を負傷。失明したわけではないが怪我した目を労わるために強い光線を避け、眼帯やサングラスを着用するハンサムな私立探偵が主人公です。退役後ニューヨーク市警に勤務ののち戦友とともに共同経営の探偵事務所を開業している。さて、その親友がある日消息を絶ち、行方を捜し始めるところからストーリーが始まる。調査中の横領事件と一件の家出が絡んで、小粒ながら探偵物のミステリーの体裁であるが、殴り合いが脈絡がない(笑)2021/01/05
ネコベス
26
横領事件を捜査していた探偵事務所の共同経営者ベンが失踪した。隻眼の私立探偵クレインはベンの消息を追ってニューヨークを徘徊する。朝鮮戦争で負傷して左目に眼帯をしたモテモテダンディ探偵クレインが消えた同僚を捜索するハードボイルドミステリ。ストーリーの中盤は起伏が無く何事も無く淡々と過ぎて行き退屈に感じたが、終盤の急展開と意外な真相は驚きもあって楽しめた。2019/06/22
woo
8
ハードでもなくソフトでもない、ミディアムボイルド(笑)陽当たりの良いデッキでワイン片手に読むには良いかも♪2019/06/28