内容説明
「しゃべる獣たち/立ち止まる水の流れ/歩く石ころども/歌う砂/…/そいつらが立ちふさがる/パラダイスへの道に」―事故死と断定された青年の書き残した詩。偶然それを目にしたグラント警部は、静養中にもかかわらず、ひとり捜査を始める。次第に浮かび上がってくる大いなる陰謀。最後に取ったグラント警部の選択とは…。英国ミステリ界の至宝、ジョセフィン・テイの遺作、遂に登場。
著者等紹介
テイ,ジョセフィン[テイ,ジョセフィン][Tey,Josephine]
1896~1952。スコットランドのインヴァネスに生まれる。本名エリザベス・マッキントッシュ。芸術家を志しロイヤルアカデミーで学ぶもバーミンガムの体育大学に進み、体育教師を経たのち、詩作、短編などの創作をはじめる。メシュエン社主催の長編ミステリ小説コンテストにゴードン・ダヴィオット名義で応募したThe Man in the Queue(1929)でデビュー、アラン・グラント警部シリーズが誕生した。ジョセフィン・テイ名義の作品が始めて登場するのは、それから七年後の『ロウソクのために一シリングを』(36)で、ヒッチコックによって映画化された(『第三逃亡者』)
塩野佐和子[シオノサワコ]
カナダ・カルガリー大学院コミュニケーション修士課程卒。海外でのビジネス活動、演劇活動を経て、日本で吹替番組の演出・翻訳家となり、文筆も営む
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