内容説明
慶応四年(一八六八年)一月。第二次長州征伐に参加していた弦次郎が、二年ぶりに江戸の上田藩邸に帰ってきた。出迎えたのは、同じ上田藩士の仲間たち。ある日、仲間の一人・隼助の改造した鉄砲が暴発して、弦次郎は聴力を失ってしまう。上田に帰国を命じられた弦次郎は、仲間たちのために、最後の仕事をしようと決意する。それは、若い藩主を意のままに操り、勝海舟を亡き者にしようと企む人物の暗殺だった―。
著者等紹介
成井豊[ナルイユタカ]
1961年、埼玉県飯能市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専攻卒業。1985年、加藤昌史・真柴あずきらと演劇集団キャラメルボックスを創立。現在は、同劇団で脚本・演出を担当するほか、桜美林大学などで演劇の授業を行っている
真柴あずき[マシバアズキ]
本名は佐々木直美(ささき・なおみ)。1964年、山口県岩国市生まれ。早稲田大学第二文学部日本文学専攻卒業。1985年、演劇集団キャラメルボックスを創立。現在は、同劇団で俳優・脚本・演出を担当するほか、外部の脚本や映画のシナリオなども執筆している
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感想・レビュー
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リタ
4
今夏、再演されたので再読。もう何度読んでるかわからない、大好きな演劇集団キャラメルボックスの戯曲です。幕末。誰もが自分たちの信念を貫こうとして戦っていた時代。弦次郎たちも日本の未来のためにそれぞれのtruthを掲げて懸命に生きていた。そこに訪れたひとつの綻び。それが彼らを残酷な運命へと引き摺りこんでゆく。何かを失っても、何かを残してくれるのがひとの心。たとえ声が聴こえなくとも、心の刃が真実を切り拓いてくれる。どんな嵐が来ても、生きることを止めたくないって想いました。さ、声を出してもう一度読んでみるか←えw2014/08/19